心からほわっと力が抜ける映画
北海道の草原の中で焼き立てパンとおいしいコーヒーを出すカフェを営む夫婦と、2人の元を訪れるさまざまなお客さんを描いた映画です。 2人の元にやってくるのは、人生の次のステップに進むことにつまずいてしまった人たちです。その人たちがやってくる目的は、憂さ晴らしだったり、ぬくもりを求めてだったり、逃げることだったりします。そんな堅く堅く窮屈に凝り固まった心を、パンやコーヒー、地元の旬の食材を使った温かいお料理の優しい香りと2人の醸し出す柔らかな空気、辺りに広がる豊かな自然がほっこり包み込みます。すると、まるで乾いた地面が落ちてきた雨粒を吸い込んだように、人の心も少しずつ柔らかくなっていくのです。気付いたら、人生の次のステップに自然に足をかけているのです。 そんなお客さんの姿は、同時に夫婦の心にも何かを注ぎ込んでいきます。仲のいい夫婦から、心の通い合った夫婦となっていくのです。そして、そんな2人の元に最高の贈り物が届きます。 音楽も、背景も、物語も派手なところはありません。ドラマはあっても、ゆっくりまったり進みます。そんな穏やかさに、観ているだけの私の心からも、ほわっと力が抜けて、自分も周りを取り巻く世界も、悪いことばかりじゃなくて、素敵なところを探していこうという気持ちにさせてくれます。
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