ミニバラを育て、染め物をする生活
江國香織イズムが随所に見られる作品「落下する夕方」を視聴した感想です。この映画は、江國香織さん原作の作品で、随所に江國香織イズムを感じることができます。江國さんが小説を書くにあたって、大事にしているテーマの一つが「家族」です。その家族の中でしか通用しない、ルールや細かな決めごとを、江國さんはよく描いている印象を受けます。例えば冒頭の、リカと健吾の生活です。必ず休みの日には、二人でプールで泳ぎ、買い物をして帰る。帰ったら健吾の好きなものを作って二人で食べる。二人はまだ結婚はしていませんが、そこにはもう、確かに家族のルールのようなものが存在しています。他にもリカが観葉植物を育て、織物を染める生活感や、華子がラジカセの音楽を聞いているシーンなど、個人個人の生活のリズムが描かれていて、江國さんの作品らしさを感じました。心の移り変わりが、分かりやすくて良かったです冒頭のリカと健吾の別れのシーンに...この感想を読む
3.53.5
PICKUP