何もかもうまくいかない気分になった時読んでください
私たち大人は、現実はドラマや映画、おとぎ話のように都合よくいかないことをよく知っています。そして、ドキュメンタリーでさえ、奇跡的なエンディングが訪れるのは、ごく限られた人のみであって、自分には起こり得ないと思っているところがあるはずです。そうやって、現実に適応していくのが大人になるということなのかもしれません。でも、何もかもがうまくいかなくて、今までの人生を放り出したくなりそうな時こそ、この本を読んでほしいです。もちろん、これは小説で、しかもファンタジーで、現実になることは絶対にない小説です。このお話では、自分ではどうすることもできない過酷な運命を生まれながら背負った1人の少女と2人の少年たちが、もう行きつく先は死しかないと悟った時、奇跡が起こります。そんなこと現実には起こりっこない・・・そう思うのが当然です。でも、彼らは、「本当に大切なこと以外、全部手放してもいい」「どうせ限られた命なら、本当に大切な人を幸せにするために使いたい」とまで、強く強く願うことで、奇跡を起こすのです。こんなふうに、捨て身で心から願うことって、今までに本当にあったでしょうか? 奇跡は特別な人や幸運の持ち主に起こるものではなく、もしかしたら、誰よりも強く、他のことなんて何にも要らないと言えるぐらい強く願った人に起こるのかもしれない。そんな気持ちにさせてくれる1冊です。
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