私が読んだ小説の中でトップレベルの面白さです - 青の炎の感想

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小説レビュー数 3,368件

青の炎

4.254.25
文章力
3.50
ストーリー
4.00
キャラクター
3.25
設定
3.75
演出
3.50
感想数
4
読んだ人
12

私が読んだ小説の中でトップレベルの面白さです

5.05.0
文章力
-
ストーリー
-
キャラクター
-
設定
-
演出
-

貴志祐介さんの作品は本当にはずれがなく、大好きな作家の一人です。 東野圭吾さんのようなトリックものも書ければ、鈴木光司さん(リング)のようなガチホラーも書けますし、ファンタジーのようなものまで書けるので、幅広く才能を発揮している作家さんです。 どれも面白いのですが、本作はトリックもの+青春ドラマという新しい試みで、 ミステリーの中でも甘く切ない気持ちを感じる作品です。 本作は、頭のいい男子高校生の秀一が、家に居座っている粗暴な元夫から母親と妹を守るために完全犯罪を実行していくという倒叙型ミステリー(犯人の視点で書く形式)です! その中で、彼女との青春ドラマや色んな葛藤があり、様々なドキドキが楽しめます。 私の最も好きなシーンは、最後別れのシーンで、ヒロインの紀子に「じゃあ、わたしが好きだっていうのも嘘?」と聞かれ、本当は好きなのに「ああ。嘘だ」と答える場面です。 初めて小説で涙しました。 家族との別れ、彼女との別れ、自分の人生との別れ、最後まで誰も救われませんが、 純粋に人のことを思う気持ち、あまりの切なさ心が揺さぶられました。 本作は映画化もされており、二宮和也さんと松浦亜弥さんが主人公とヒロインをそれぞれ演じていますが、こちらは青春ドラマとしての色が少し強い感じがあります。

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若干軽めのクライムサスペンス

物語への引き込み感の弱さネットスラングで“中二病”というものがある。ネットスラングだけにどうしようもないものも多いのだけど、この“中二病”という言葉は“病”という言葉を使うことによって実にうまく思春期の頃にやりがちな自己愛的、自己満足的な言動を表していると思う。主人公の男の子は高校2年生でありながら冷徹な理性と知性を備え、自宅ガレージを自ら改造した部屋に籠もり日々調べ物をしている。それは母親の元夫を殺すために。こういった元々のストーリーは決して悪くないと思う。でも彼のしゃべり方や、時折差し込まれる英語(はいいのだけど英語である必要が感じられない故の違和感)、篭ったガレージではバーボンをあおり…といった設定がどうしても“中二病”の少年を想像させ、読む気が萎える。この物語への引き込み感の弱さは貴志祐介の本では、特に冒頭部分によく見受けられる(もちろん100%主観だけど)。その読み手の気持ち...この感想を読む

2.52.5
  • miyayokomiyayoko
  • 166view
  • 3266文字
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