青の炎の評価
青の炎についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
青の炎の感想
若干軽めのクライムサスペンス
物語への引き込み感の弱さネットスラングで“中二病”というものがある。ネットスラングだけにどうしようもないものも多いのだけど、この“中二病”という言葉は“病”という言葉を使うことによって実にうまく思春期の頃にやりがちな自己愛的、自己満足的な言動を表していると思う。主人公の男の子は高校2年生でありながら冷徹な理性と知性を備え、自宅ガレージを自ら改造した部屋に籠もり日々調べ物をしている。それは母親の元夫を殺すために。こういった元々のストーリーは決して悪くないと思う。でも彼のしゃべり方や、時折差し込まれる英語(はいいのだけど英語である必要が感じられない故の違和感)、篭ったガレージではバーボンをあおり…といった設定がどうしても“中二病”の少年を想像させ、読む気が萎える。この物語への引き込み感の弱さは貴志祐介の本では、特に冒頭部分によく見受けられる(もちろん100%主観だけど)。その読み手の気持ち...この感想を読む