気分良く読めます。
各章のヒロイン達は、一人は冴えない派遣女子の三智子、また一人は元コギャルの野百合、最後がゆとり世代の玲実という、何かしらの物足りなさを感じてたり、周りに感じさせてたりする人たち。 タイトルのアッコちゃんというのは、黒川敦子女史。とある会社の結構なポジションにいる堅物(その会社に派遣されてる三智子には近寄りがたい)…のようでいて、実は別の場所では全然違う顔を見せます。 三智子は手作り弁当と引き換えに、アッコ女史の日替わりのランチ先を紹介されて日々それぞれに出向き、そのアッコ女史の様子を知るなどして、一週間後にはすっかり…。 野百合は超苦手だった高校時代の中年熱血教師に、大人になった今になって、急に偶然再会してしまいます。 教師が指導すべく追ってるのは、かつての野百合にも重なる部分のある、女子生徒。 華やかだった当時の野百合、今の現実。当時では考えが及ばなかった教師の意志を、一緒に追 っかけることで色々知ることに。 ただでさえ天然なのと、ゆとり教育世代なのとで上司を苛立たせる玲実は、それでも持ち前のケセラセラ感と世渡りの天然小器用さとアホなだけじゃない才覚で、上司の想像を軽々超えた展開を迎えます。 アッコ女史が全部にがっつり絡むわけじゃないにしろ、前向きになれる話の詰まった本です。 読後感、最近読んだ本の中で一番良かったです。 これ映像化したら楽しそう。
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