エンデ全集 4 はてしない物語の評価
エンデ全集 4 はてしない物語の感想
「物語」の中の「物語」
本という別世界に入り込むバスチアン「はてしない物語」は、バスチアンという気弱な少年が、古本屋から盗んだ本を学校の屋根裏部屋で読みふけり、その物語の中に入り込んでしまうという物語だ。バスチアンは物語の中で、望むものを次々と手に入れていくが、同時に現実世界での自分の記憶を少しずつ忘れていく。やがて傲慢に、自分の好きなようにふるまうようになったバスチアンは、彼を阻むアトレーユと戦い、彼を刺してしまう。一人での厳しい旅により、もとの世界に帰りたい、そして誰かを愛したい、という望みを持つようになったバスチアンは、自分の力と、アトレーユの助けによって元の世界に戻る。この「物語」の中には物語がもうひとつある。その別の世界の物語の主人公であるバスチアンが、アトレーユを主人公に据える物語に入りこんでしまう、という二重構造になっている。それを読んでいるうちに、自分のいるこの世界(本当の現実、今いる世界)も...この感想を読む