人間なんて何の変哲もないものさ。大概の人は生きんがために一生の大部分を使ってしまう。
ウェルテル
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若きウェルテルの悩みは、1774年に発表されたヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテによる文学作品で、ドイツ文学並びに書簡体小説の代表的作品である。原題は「Die Leiden des jungen Werthers」。親友の許嫁の女性ロッテに恋心を抱いてしまった青年ウェルテルの視点から、ロッテへの一途な気持ちと、それを成就させることができない苦しみや絶望を描いた作品。作者の実体験を下に執筆されたと伝えられる。 後に超大作「ファウスト」を遺すドイツの文豪「ゲーテ」の名を一躍世に轟かせた作品として、世界的な知名度を持つ。発表当時、主人公のウェルテルに強く共感した青年たちが次々と命を絶ったことから、メディアが自殺を伝えた直後に自殺者が増加する現象をいう「ウェルテル効果」の由来になった。日本国内でも1951年に刊行された高橋義孝訳(新潮社)と竹山道雄訳(岩波書店)を筆頭に、複数の出版社から刊行され広く親しまれている。
言わずとも知れたゲーテの処女作でベストセラーになった本である。しかし原稿の途中で出版されたことを知っている人は少ない。完全原稿をかいつまんで言えば、最終的には婦人に恋をしていた少年は自殺をしてしまう。これはあまりにも陰惨な結末だと述べる人もいるかもしれないが、恋の力とはそれほど大きいのである。私は男性なので恋い焦がれた少年の気持ちを代弁すると「恋は人を盲目にする」のである。とはいっても男性の場合は熱しやすく冷めやすい場合が多い。女性はその反対である。ここでショーペンハウアーの言葉を借りれば「天才の人生とは正に悲劇の連続である」なのである。これを踏まえてもう一度読んでみると大分印象が変わるので試してみてもらいたい次第である。
ウェルテル
仕事を辞め、親友と離れてひとり見知らぬ地に来た主人公ウェルテルが、噂好きの貴族たちを見て言う台詞。
ウェルテル
ウェルテルが一人で思索している時のウェルテルの独り言。