カモメに飛ぶことを教えた猫の評価
カモメに飛ぶことを教えた猫の感想
猫たちの視点の物語
「絵のついた本を読むなんて!」これは、この本を母に紹介したときに言われた言葉である。絵が付いていて何が悪いのか、当時の私にはさっぱり分からなかった。今もだけど。むしろ母が読んできたハーレクインのラブロマンス系の小説は嫌いだった。明らかに理想しか書いていなかったから。話を戻そう。むしろこの本に絵は必要だ。色は少なめだけど文章を読む補助となってくれる。視覚過敏の方にも優しいだろう。当時は全く自覚がなかったが、視覚過敏かつADHD傾向のある私には読みやすかったのかもしれない。主役の猫が試行錯誤しながら、カモメを育てていくところは興味深いし、彼は分からないことは仲間に相談している。隠すことの方が遥かにつらい。それは南雲明彦さんが出演した「世界仰天ニュース」を観れば一目瞭然である。後に彼はディスレクシア(学習障害)と分かるが、彼自身の困難を隠すことが、かえって心身の負担となっていたのである。最後にカモ...この感想を読む
港の猫とかもめ
ストーリーも面白く、文章はとてもよみやすい。キャラクターはみんな個性的で、読んでいてとても楽しい気持ちになる。飼い猫である黒猫のゾルバの家のバルコニーに原油にまみれ、とべなくなってしまったかもめのゲンガーが落ちてくる。ゾルバは原油まみれのゲンガーを助けるために、たくさんの猫に相談し、原油を取り除く方法を知るが、帰ってきた時にはもうゲンガーは死んでしまっている。ゲンガーが死ぬ前、最後の力を振り絞って産んだ卵を、ゾルバは育て、うまれてきたかもめに空を飛ぶことを教える。約束を守ることの大切さや、絆について学ぶことができる。落ち込んだ時に、ぜひ読んでみて欲しい。