エルマーと16ぴきのりゅうのあらすじ・作品解説
エルマーと16ぴきのりゅうはR.Sガネット氏作の「エルマーのぼうけん」シリーズの第三巻にして最終巻である。物語も挿絵も両方とも彼の作である。日本語訳はわたなべしげお氏による。 第一巻の「エルマーのぼうけん」で、少年エルマーがジャングルから助け出したりゅうが里帰りすると、そこにはりゅうの家族をサーカスに使うため、捕獲に来た人間たちがいた。自分の家族のピンチにりゅうは信頼できる友人であるエルマーに助けを求めに行った。 エルマーは親友であるりゅうのお願いを快諾し、かつて彼を助けたときのように持ち前の発想力と行動力で作戦を練り上げ、道具を買い揃え、りゅうとその家族に指示をして、彼らを捕えに来た人間たちを追い払うことに成功した。 巻の前半では、りゅうがどうしてエルマーに助けを求めに来るに至ったのか、その経緯を話している。後半ではエルマーとりゅうがりゅうの故郷に向かい、人間たちを無事追い払うところが描かれている。
エルマーと16ぴきのりゅうの評価
エルマーと16ぴきのりゅうの感想
最後
心に残る物語。子供向け作品だからか、力を合わせる素晴らしさや知恵と工夫で乗り越えるかっこよさが描かれている。子どもがいたらプレゼントしたい本。友達のりゅうと、その家族を助けにいくという物語。いろんな試練があるけど、ちゃんと乗り越えて、助ける。こんなりゅうがいたらいいなあと思う。りゅうにのって旅をしてみたい。ところどころ、くすっと笑えるようなほほえましい描写もある。子どもに戻ったような気持ちになれる。仕事でつかれているときや、いやな事があったとき、心がすさんでいるときに読みたい。そんなに長い話ではないのでさくっと読めるのも魅力。
登場人物の名前が面白い
長男はエレベーターが大好きなのですが、主人公エルマーの名前は、エルマー、エレベーターでとても喜びました。りゅうの名前にバーサというのがあるのですが聞き間違えて「おばあさんのりゅうが居るの?」と訊いてきたりと、読んでいて面白かったです。りゅうの背中に乗って冒険するのもかっこいいし、りゅう(友達)のために知恵を絞って計画を進めていくのもかっこいいし、エルマーはかっこいいです。名前が面白いと書きましたが、地名も面白いです。子供たちのお気に入りは、ごびごび砂漠です。登場人物で私自身は、ワゴンさんが結構好きです。一生懸命すぎて空振りしてるのが面白い。
さよなら、エルマー
困ったとき、頼りにできる存在があることの心強さ。手放しで誰かのことを信じられるって素敵ですね。頼られた側が、当たり前に手助けできることも。だってエルマーだって人間なのに! そんなことはりゅうは気にもかけず、人間に困らされても、頼るならその相手はエルマーだった。今回もエルマーは良い働きをします。ほんと信頼って実績を積んでこそ得られるんだなと思うと、頑張ろうという気持ちを貰えました。それにしてもシリーズ通して感じるバランスの良さ。さくっと読める、そこそこ薄めが3冊。大長編じゃないのが逆に良かった作品だなと思いました。でもエルマーの活躍する冒険自体はもっと読みたい!かといって物足りないことのない満足感。最終巻は特にりゅうの名前もわかったし、読後感も良かったです。(ワゴンさんの奥さんだけちょっと不憫気味というか、でもあれはあれで救いがないわけではない気がします)この感想を読む