ツ、イ、ラ、クの評価
ツ、イ、ラ、クの感想
大抵のことは時間が解決してくれる…かな?
恋とは墜ちるものらしいこの小説は、主人公隼子の小学生時代から、社会人になるまでを描いた贅沢な小説である。私は、物語の中になぞを残す終わり方が大嫌い。この後、主人公はどうしたでしょうか?それの答えはあなたの心の中にあります…なーんていうあいまいな終わり方が許せないタイプなの。読者に丸投げしないでほしいと本を読むときに常々思っている。その点、この物語は合格である。明らかにこのラストの後の展開が予想できるから。ひゅるるる~ストーン!!これは、恋に墜ちた音。「落ちる」でも「堕ちる」でもなく姫野カオルコさんは「墜ちる」を使っている。まさに撃墜された感じかしら。再び巡り合った隼子と河村先生にはもうなにも障害がないの。このあとのハッピーエンドは確実でしょう。もう、誰にも邪魔されないで恋を堪能すればいいさ。でも、私自身は恋をしたことはあるけれど、墜ちたことはなく現在に至っている。恋に墜ちる瞬間を味わっ...この感想を読む
恋愛はまさにツイラクそのもの まざまざと見せつけられ、この小説にツ、イ、ラ、ク
森本準子になぜこんなに魅了されたのか主人公である森本準子。私はこの小説を読み終えて、すっかり彼女に魅了されてしまった。周りの女子生徒とは違い、幼いころから早熟の速度がやけに早い。小中学生の女子生徒といえば、グループで行動することが当たり前の時代に、準子は一人行動を好む。そのやたらといつも冷静で、クールな準子。こんな女の子、自分の小中学校時代にいただろうか?いや、おそらくいなかった。知らなかっただけかもしれない。彼女に魅了されたのは、結果的に私の自分勝手な準子に対する「やきもち」だったのだと思う。まるで幼い子供が、大人の女性に対して憧れるような。準子は中学生で、私がこの小説を読んだのは30歳前後だったにもかかわらず、熟した大人の女性のような内面の準子に強くやきもちを焼いたのだ。同時に準子に同情もした。小中学生で、中身が大人の準子は、周囲の友人に合わせることがきっと辛かったに違いない。だから...この感想を読む