万能鑑定士Qの事件簿 Iの評価
万能鑑定士Qの事件簿 Iの感想
万能鑑定士の始まりの事件簿・前編
人の死なないミステリ、開幕『千里眼』シリーズで知られる松岡圭祐が、人の死なないミステリという新シリーズを打ち出した。それが『万能鑑定士Q』シリーズである。主人公は凜田 莉子という波照間島出身の美女。たった一人で鑑定業を営む女性であり、その観察眼は古参の鑑定士すら舌を巻くほどである。シリーズは、この凜田莉子のもとにもたらされた依頼を元に話が進んでいく。この第一話たる『万能鑑定士Qの事件簿 I』では力士シールから端を発するが、後のシリーズでは毒入りフォアグラの謎を解いたり、インゴットの謎を解いたり、太陽の像の謎を解くなど、現実に即したネタを巧みに物語に織り交ぜる仕掛けが人気を呼んでいる。以上に挙げたようなシリーズについてもぜひ言及したいところだが、本考察では『万能鑑定士Qの事件簿 I』ーー力士シールとハイパーインフレ事件の前編のみを語るつもりであるので、注意していただきたい。一歩間違えた未来の先に...この感想を読む
不可思議な世界感、非日常の展開
シリーズ化されている作品の1作目です。どんなものでも鑑定できるという魅惑的で謎がいっぱいの『万能鑑定士』凛田莉子に、週刊誌の若い記者が東京23区に増えていく『力士シール』の謎の解明を依頼したことから物語は始まります。謎解明のあいまに挟まれる経済破綻した異次元のような日本の姿の描写、1枚1枚手描きされたシールが東京中に張り巡らされていくという得体のしれないじわじわした不気味感など、個性的でインパクトの強い作品です。個人的には、インパクトの強さがあくの強さのように感じられ、謎解きの結果も少々後味が悪く、苦手なイメージでした。ただ、独特の世界感や個性的なキャラクターは、はまる人ははまると思います。
万能鑑定士Qの事件簿 Iの登場キャラクター
小笠原悠斗
よみがな:おがさわらゆうと 年齢(作品時):26歳 性別:男 国籍:日本 住まい:西池袋三丁目の家賃8万3千円のワンルームマンション 所属:週刊角川編集部 性格:ドジが多い 特徴:細面で鼻が高く、下あごは女性のように小さい 特技:スポーツ 職業:記者
凜田莉子
よみがな:りんだりこ 年齢(作品時):23歳(2011年12月末日時点) 性別:女 国籍:日本 性格:非常に感受性が強く、涙もろい 特徴:抜群のプロポーション、猫のように大きな瞳 特技:鑑定 出身地:沖縄の波照間島 出身校:八重山高校 経営店:万能鑑定士Q