「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL)の評価
「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL)の感想
男性と女性の違いが浮き彫りになる
OLの悩みはじめにこの本を書店で見かけたとき、そのタイトルと本の表紙と、村上龍という名前のミスマッチ感に目をひかれた。そして中身をざっと見たときに、OLの切実な悩みを村上龍が回答するという内容だった。村上龍は何かと相談される人物だということは前から知っていた。フィクションの物語を除いて村上龍の本はほとんどと言っていいほど、読者が答えを必要とする疑問や質問に対して何か一つの答えを出すというものだ。それが質疑応答をテーマとしなくても、私たちは村上龍に何かしらの答えを求めて彼の本を読む。彼はいつでも現実的で合理的で人道的な手段を用いてとある答えを出す。時に暴力的なまでのまっすぐな回答で私たちを納得させてくれるのだ。非常に力強く。もしこの質問と回答集のような本の質問者が、男女問わず本当に悩んでいる人間の、悩みを通り越した心の訴えだったら、本は面白いという領域を逸脱して、深刻な現実を露呈させるだけの...この感想を読む