イノセント・ストーリーズという言葉がぴったりの物語
初めて読んだトルーマン・カポーティもともとトルーマン・カポーティという作家の名前は知っていたけれど、その小説は読んだことがなかった。なぜそれを手にとったかというと、村上春樹が翻訳していたからに他ならない。他の訳で読んだことがあり元々知っている小説を村上春樹が訳しているからという理由でもう一度読んだりしたことはあっても、読んだことのない外国の小説を村上春樹の翻訳で読んだことはなかった。村上春樹の小説は読みつくし、なにか新しいものはないかと色々模索しているときに、彼の翻訳している小説の分野に白羽の矢がたったという理由で私はこれを選んだ。なので、私のトルーマン・カポーティの文章の印象と村上春樹のそれはかなり一致している。だからというわけでないけど、この「誕生日の子どもたち」はその年私が読んだ小説の中でのベスト5に入っている。本の裏に書かれている「イノセント・ストーリーズ」。これ以上の言葉が見...この感想を読む
4.54.5
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