銀河英雄伝説外伝のあらすじ・作品解説
銀河英雄伝説外伝は、1986年より出版された日本のSF小説である。 著作者は日本の作家・田中芳樹。銀河系に進出した人類と統一化された宇宙社会を舞台に、弱体化した連邦に変わって建国された銀河帝国と帝国に反対する勢力間の対立、各勢力に所属している主人公達の戦いを描いたスペースオペラ仕立てのストーリーとなっている。宇宙艦隊や白兵戦など、架空戦記小説としての色合いも強い。 本作は発行より累計1500万部を売り上げた「銀河英雄伝説」シリーズの外伝作品となっている。本編第1作が1982年に初出版され、以降1987年にかけて全10作品が出版された中、1986年に「星を砕く者」を皮切りに、1989年出版の「螺旋迷宮」までの全4作品が出版されている。これら4作品は全て長編小説であるが、他にも外伝作品として短編小説も全4篇が掲載されている。 本作は本編シリーズと共に初出版が80年代と古く、出版元の絶版を含め全5つの刊行リストが存在する。
銀河英雄伝説外伝の評価
銀河英雄伝説外伝の感想
栄達する前のラインハルトとキルヒアイス
本編では一巻にして既に元帥近くにまで昇進していましたが、本編はそれに至るまでの経過の一つです。惰性のように繰り返される同盟との争いでラインハルトが才幹を示した話、姉であるアンネローゼに皇帝の寵愛を奪われてラインハルトともども暗殺を図るベーネミュンデ伯爵夫人の話、反乱軍の討伐での不祥事をきっかけにミッターマイヤーとロイエンタールと知り合った経緯。こうしたことがメインに据えられています。この巻はヤンも同盟の話もちょっと出てはきますが、基本的に帝国側に重点が置いてあります。油の乗った文体と流麗なレトリック、語彙の豊富さなど著者のこの頃の実力の高さには読んでいて酔うような快楽があって何度も読み返しました。