ヴェニスの商人の評価
ヴェニスの商人についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
ヴェニスの商人の感想
シェイクスピアらしい人間劇
シェイクスピアらしい濃厚で生々しい人間劇が描かれています。基本的には悪いユダヤの商人がいて、そのユダヤの商人に最後はとんちを効かせて一杯食わせるという、ありがちな話です。しかし、そんなストーリー構成論だけで語れるような浅薄なものではありません。描かれている人間の描写や、セリフがなにか読み手の心に引っ掛かってきます。これこそがシェイクスピアの巧みさだなと思います。無意識に語りかけるのがシェイクスピアの真骨頂でしょう。それがあるからこそ、三百年以上もあいされるさくひんになるのでしょう。勧善懲悪的な時代劇みたいな話ですが、最近シェイクスピアが守銭奴だったらしいという研究が発表されていました。そう言う観点で読むとまた面白いかもしれません。