私的生活の評価
私的生活の感想
そういうもんだな、と納得
3部作になっている作品と知らずに、一番最初に読んだのが本作。主人公の乃里子が結婚したお金持ちで企業の跡取りの年下亭主は傲慢で浮気者で、そのくせ彼女のことは異様に束縛したがる典型的なお坊ちゃん。 自分で生活する能力がちゃんとあり、男性に養ってもらうことのみを希望するタイプでない乃里子にすれば物足りない相手でもあるだろうな、と思う。でも、物語中でふんだんに描写されるお金持ちの贅沢は女性なら誰でもやってみたいものだと思う。貝の形ですみれ色のいい匂いのする石鹸、なんて名前も覚えられないくらいなのにダース買いして惜しいと思うことなく使う、なんてぜひやってみたい人は多い(私も含めて)違いない。ふたりの関係の変化、乃里子のこころの動き、最後は納得の結末だといえる。