苺をつぶしながらの評価
苺をつぶしながらの感想
いい結末です。
前作でもう一緒にはいられない、という結論がでてしまった乃里子と剛。もちろん、彼女からの結論であって、剛は未練たっぷりなのだけれど。好きな仕事、友達、何より束縛のない自由な生活という本来の彼女が最もぴったりくるものを取り戻した乃里子は、以前の2作品よりも魅力が増していると思う。ただ、彼女との生活で、典型的な嫌味お坊ちゃんだった剛のほうも成長していたようだ。雨の振る中、図らずも再会するふたり、その会話の様子に彼の変化も見て取れる。「ヨリ、戻るのだろうか。」とちょっとドキドキする。独身謳歌の乃里子がお手本のようにもしていた女性に起こった出来事、ハッとする展開だ。結局、1人で暮らしている、人生を楽しんでいると思っても、みんな誰かがそばにいてほしいものなのだと思う物語だ。