架空の球を追うの評価
架空の球を追うについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
架空の球を追うの感想
笑い、女性あるある、社会性、どこを切っても死角なし 森絵都初の本格短編集!
森絵都 初の短編集!彼女の小説業が児童文学からスタートしたことは、誰もが知る事実だ。数々の児童文学系の賞をとり、満を持して一般向けの文学に転向、いくつかの中編、長編の執筆を経て、本作が初の短編集となった、らしい。本作執筆の2年前に風に舞い上がるビニールシートという作品が発表されているが、執筆枚数70枚前後の作品たちを彼女は短編とは考えていないのだそうだ。そんなわけで20枚前後の本作が堂々たる森絵都自信が納得する、初の短編集と呼ばれている。2017年4月の文芸春秋社のインタビューでは、児童文学の世界にいると短編というものを書く機会がない(中略)。だから苦手意識があって、それを克服しておきたかった、と語る。しかし本作を見るに、短編がニガテとは全く思えない。情景描写はキレキレだし、くすりと笑えたり、爆笑できたり、ちょっと切ない気持ちになったり、読者の感情をくすぐる作品も多い。ホームレス、難民...この感想を読む