人間、死んだ後、自分で葬式出して、自分で焼き場行って、自分で骨壷入って、自分で墓に納まることなんて、ぜーったいできねえんだに。必ず誰かのお世話になるのさ
佐相博
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「遺品整理」という、普段の生活の中ではそう縁のない仕事に携わる主人公。高校時代の親友がネットでのいじめを苦に自殺し、高校中退後うつ病になる。父の勧めで遺品整理の仕事に就いたが、そこで「死」と向き合うことになる。父との関係・上司の人との関わり・重い過去を持つ女の子との関わりによって、主人公は「命」と向き合っていく。遺品整理と聞くと暗くて重いイメージしかないが、違う。上司のものの考え方が良い。父親の息子に対するかかわり方も良い。「死」を目の前にすることは同時に「生」と向き合う事なのだと思った。へんてこな題名だが、最後で「元気ですかーーーー?」と叫ぶ女の子の台詞で繋がる。この一言が、この物語を温かいものにしている。又、全てを受け入れた上での爽快感がある。さだまさしの小説、大変好きだ。
佐相博
遺品整理の仕事をする主人公と佐相が、孤独死について話していたときに佐相が主人公に言った言葉。