アントキノイノチの評価
アントキノイノチについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
アントキノイノチの感想
一曲の歌のような温かさ
「遺品整理」という、普段の生活の中ではそう縁のない仕事に携わる主人公。高校時代の親友がネットでのいじめを苦に自殺し、高校中退後うつ病になる。父の勧めで遺品整理の仕事に就いたが、そこで「死」と向き合うことになる。父との関係・上司の人との関わり・重い過去を持つ女の子との関わりによって、主人公は「命」と向き合っていく。遺品整理と聞くと暗くて重いイメージしかないが、違う。上司のものの考え方が良い。父親の息子に対するかかわり方も良い。「死」を目の前にすることは同時に「生」と向き合う事なのだと思った。へんてこな題名だが、最後で「元気ですかーーーー?」と叫ぶ女の子の台詞で繋がる。この一言が、この物語を温かいものにしている。又、全てを受け入れた上での爽快感がある。さだまさしの小説、大変好きだ。