ペンギン・ハイウェイの評価
ペンギン・ハイウェイについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
ペンギン・ハイウェイの感想
森見登美彦と南方熊楠
森見登美彦と言えば「京都」ですが、今回は京都はでてきません。これだけでもけっこう不思議です。自堕落な大学生も、もちろん出てきません。主人公はなんと小学生のアオヤマ君。冒頭の説明から、「おっアオヤマくんは賢いんだな」と思わせる文章がさく裂しているのですが、特に注目したいのは、アオヤマ君が『ミナカタクマグス』を知っている点です。片仮名で表記されているため、ふっと見落としがちですが、あの有名な『南方熊楠』です。アオヤマ君が優れていると例に出す人間は南方熊楠なのか、と衝撃を受けました。学者さんや研究者さんなど、大学に携わる人にはメジャーな名前ですが、普通に生きているとあまり『南方熊楠』に出会う機会はそうありません。アオヤマ君が大学に忍び込む回(というとアオヤマ君は怒りそうですが)では、お父さんに遭遇していました。お父さんは大学に関わりのある人間です。おそらくアオヤマ君はお父さんからその名前を知...この感想を読む