実際にあったかもしれないと思えるファンタジー
魅力的な設定
主人公は、江戸時代の有数な廻船問屋の一人息子・一太郎。妖(あやかし)の血を引いているため、様々な妖を見たり話したりすることができます。現代では、なかなか信じられない妖の存在も、読み進めていくと、江戸時代にはもしかしたら実際に居たのかもしれない、という気持ちになってきます。一太郎は非常に体が弱く床につきがちなのだが、何故かしら様々な事件に巻き込まれ、妖と協力して事件を次々と解決していく様子がドキドキハラハラしながらも楽しく読むことのできるシリーズです。
こわいはずの妖がこわくない
妖というと、何か悪さをされるのではないか、と幽霊と同様にこわいイメージを持つことが多いのですが、この小説で出てくる妖は非常に愛着のある妖ばかりです。実際に見たことがないため、イメージのしにくい妖の姿も、たまに描かれている挿絵でどのような姿かたちかを知ることができます。何も知らずに見るとこわいかもしれませんが、どんな妖かをこの小説を通して知った後に見ると可愛らしく見え、実際にこんな妖がいたら楽しいだろうなと感じずにはいられません。
ミステリー小説のようなストーリー
登場人物は、一太郎と妖が中心ですが、ストーリーは巻き込まれた事件を解決していくミステリー小説のようになっているところも、この小説に魅力を感じるひとつだと思います。身体の弱い一太郎が、妖たちが集めた情報をもとに推理して解決へ導いていく展開は非常にわくわくと読み進めることができます。
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