花が咲く頃いた君との評価
花が咲く頃いた君との感想
普通小説
丁寧に綴られた短編4つ。うーん、どのお話も描写が細やかだし、丁寧さがそこかしこに感じられるんだけど、あまり心に響いて来ないんだなぁ。残念。最初の話「サマバケ96」で、主人公がナンパしてきた二人の男子のうち片方に「アキオはさ、私のこと好き?」って訊くシーンがあって、そしたら『喋りやすいけど、タツヤ(もう一人の男子)のほうが好きだ。いや、ホモじゃなくてだよ』という返事が返って来るんだけど、主人公は納得して、「私も。アキオよりアンナのほうが好き」と答えるという。そこのシーンだけは、恋人よりも友だちのほうが好きで、友だちとずっといたい、でもいつか別れなきゃいけない時が来るって分かっている、という心情が見事に表現されていて、すごいなぁと思った。