銀河鉄道の夜の感想一覧
宮沢 賢治による小説「銀河鉄道の夜」についての感想が6件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
銀河鉄道のりたい
宮沢賢治の文章は、きれいだから好きだ。童話のようだけど、大人向けのようでもある。猫の事務所や、セロ弾きのゴーシュ、ほしめぐりの歌など、ジブリ作品に影響を与えた作品が収録されている。宮沢賢治ファンや、学校での読書感想文用だけじゃなく、ジブリファンにもおすすめの一冊。銀ボーイズというバンドの歌にもなっている。いろいろなところに影響を与えている作品だ。タイトルになっている銀河鉄道は、実は未完成の作品で、ところどころ、空白がある。いじめられっこで、母思いの少年ジョバンニが主人公。解釈はいろいろあるけど、わたし的にはまっすぐ読むのが一番すきだ。
美しくて、切なくて、言葉にしたら消えてしまいそう
宮沢賢治作品の中で、1番好きだと言ってもいいかもしれません。これぞ、宮沢賢治ワールド! という作品かなと思います。大人になってからも、時々読み返していましたが、ここでレビューを見て、また読みたくなって手に取りました。親友の死出の旅に、わけもわからぬまま同行することとなった少年。その途中で出会う、同じく死出の旅へ赴くさまざまな人々。その誰もが、死に直面して感じる思いを、この先も生きていく少年に押し付けるのではなく、何気なく、まさしくたまたま列車に乗り合わせた者同士の世間話のようにさりげなく語りかけます。まさか、死出の旅とは思ってもいない少年は不可思議な気持ちでそれを受け止め、最後の最後まで現実に起きている悲劇に気付きません。だからこそ、読み手である私も、読んでいる間中、感じていた美しくて、切ない気持ちをどう言葉にしていいのか、わからなくなってしまうのだと思います。どれほど、言葉を尽くして...この感想を読む
これほど美しく、幻想的な物語は知りません。
タイトル作品の銀河鉄道の夜は、少年ジョバンニが、親友であるカムパネルラと銀河鉄道に乗って旅にでます。夜空を駆ける列車…なんとも幻想的で夢のある設定です。その内容は切なく、涙無しに見ることはできません。他にも、宮沢賢治の世界が堪能できる短編が複数収録されており、大変夢のある1冊となっています。私は、母に勧められて読みましたが、これは子供にも読ませてあげたいです。昔の作品であるにもかかわらず、今読んでも新しさを感じます。それってすごいことですよね。純粋で綺麗で美しい。初めて読んだのは中学生のころであまりわかりませんでしたが、大人になってから読み、その綺麗さに憧れに似た感情を抱きました。
夢をみられる作品
銀河鉄道の夜と言えば誰でも聞いた事はあると思いますが、意外にきっちり読んだという人は少ないのではないでしょうか。いろんな人が読んだ朗読なども多いですし、そういったところから入るのもいいかもしれません。やはり、よく朗読に使われる題材ということがあって、物語の語り口が柔らかく、その語り口が物語の幻想的な浮遊感を演出しているのは言うまでもありません。それだけを言うと、絵本のような、幼児文学のようにも思われるかもしれませんが、しっかり読んでみると意外に哲学的ないようなど読み応えがある部分も多いのでぜひ実際読んで見ることをおすすめします。大人にもきっちり読み応えのある内容です。
宮沢賢治の世界
こどもの頃に一度読み、内容がちゃんと理解できていなかったかもしれないけれど・・・ふわりとしたでも切ないなんともいえない不思議な気分になったのを思い出しました。最近、こども向けの教育番組でこの「銀河鉄道の夜」の切ないシーンが美しい言葉とともに流れてきて、きっと番組を見たこどもたちはまだ理解できないかもしれないけれど、自分が感じたふわふわでも切ない気持ちを感じる子もいるのだろうと思います。 宮沢賢治の世界を。久しぶりに本を手に取り読み返して、こどもの頃の想像力と、大人になってからの想像力はまた違ったものでこの本の不思議な幻想的な世界がまた違ってみえました。文から伝わる美しい描写、時間をおいて読みなおしたらまたきっと違って見えてくるのかもしれません。 切なくてさみしくも感じるかもしれないけれど、儚い美しさ、希望を感じさせてくれる本です。
銀河鉄道の夜
宮澤賢治の作品で最も有名な作品の一つである銀河鉄道の夜。宮澤賢治の作品は言葉回しが独特で、それが心に変わった印象を与えられるので好きです。銀河鉄道、とは死の世界へ向かう暗示なのでしょうか。銀河鉄道での旅の途中で自分の為に生きる色々な大人たちに出会いますが、カンパネルラは友人を助け死んで行く。賢治特有の「誰かの為に生きて死ぬ」という賢治の自己犠牲、他人への愛というのが描かれていてやはりこの作品は最高傑作だと思います。永遠の未完ですが、この後ジョバンニも誰かの為に生きることを決意したのでしょうか。想像の余地がたくさんあり、何度も繰り返し読みたくなる作品です。