her/世界でひとつの彼女の評価
her/世界でひとつの彼女の感想
AIと人間が将来どんな関係性となってゆくのか
音によって成り立つ世界まずこの映画で重要となる要素がある。それは声や音である。全編を通して音を主たる伝達方法として提示されている。文字を手書きするシーンが直接的に描かれることはない。主人公であるセオドアの仕事は手紙を代筆する仕事であるが、手書きで書くのではなく音声認識によって書く。ニュースもメールのタイトルすらパソコンが読み上げてくれる。友達のエイミーが彼氏と別れたとき彼氏は出家して無言の行を行う場面があるのだが、あえてしゃべらない、音を発さない修行に行くことが、この映画の世界で描かれる世界が音声で満ち溢れていることの表れだと考えることができる。そして映画序盤では、見ることではなく聞くことが大きな割合を占める世界を象徴するシーンがある。セオドアが夜、眠れないため音声チャットをするシーンだ。彼はメガネをかけているが、その時メガネが落ちても気にせずイヤホンを手に取る。このことが彼にとってメ...この感想を読む
ロボットとの愛
ロボットと人間のかかわりこの作品では、これまで幾度となくSF映画やSF小説で扱われてきた主題である「ロボットと人間」が焦点化されています。たとえば、日本の作品では「鉄腕アトム」や「攻殻機動隊」がこの主題にあたる作品として言及されることが多いです。海外の作品では、「ターミネーター」など映画だけでなく、ドラマ化されているものもあります。最近では、日本で2016年公開の「エクス・マキナ」がロボット(人工知能・AI)を主題化しているものとして有名です。「her」もこれらのSF作品の系譜の中で生まれたものと言えます。人工知能の未来「her」の特徴として、ロボットが「身体」を持たないという点があげられます。現実に存在する女性を雇って肉体関係を築こうとするシーンは、サマンサが「身体」を持たない為にできる行為です。人間のような身体を持たない人工知能として、アップルの「Siri」というサービスはサマンサに似...この感想を読む
出会えてよかった一本
「世界観にリアル生む配色」人工知能やコンピューターを題材に扱ってきたこれまでの映画と比べ、本作はそれらに見られたゴテゴテしさがまったくない、配色がとても素晴らしい映像であった。そこがこの作品のラブストーリーの雰囲気を引き立てる役割を果たしているが、それ以上に近未来という遠い未来ではなく近い将来、むしろ今あっても不思議ではない空気を作り出しているので、観る者は抵抗なくこの世界を受け入れられる。具体的にみるならば、主人公の男性セオドアが働く職場は濃い赤を基調としたファッション性が高い作りで、仕事内容からもいかにも未来的な雰囲気だが、街並みや部屋はいたってシンプルに構成されていている。つまり、冒頭で職場のシーンがあり、未来要素を表現しつつ、その後の街並みや部屋でぐっと現実感に引っ張り込まれるようになっているのである。これまで近未来に設定を置いた映画で、下手にCGが浮きだって、まったく別の世界で...この感想を読む
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