スキャナー 記憶のカケラをよむ男の評価
スキャナー 記憶のカケラをよむ男の感想
バディ物の痛快さと、最後のどんでん返しに震える
凸凹コンビのバディ物で、主人公の変人ぶりに魅かれる。典型的なバディ物と言った構想で、主人公の仙石(野村萬斎)がとにかく変人で気味が悪い。手に取った「物」から思念を読み取ってしまうのだが、個人的には友達にしたくないタイプで、この人が後々犯罪の根源を暴こうなどとは到底思えない引きこもりっぷり。体質的に相当苦しいはずの思念の読み取りをコミカルに描いていたので、なんとか静観できるもその特異体質ぶりがフューチャーされていたら、見ている人は相当苦しいはず。だけど興味をひかれる素材だった。バディのもう一人である丸山(宮迫博之)は、チャランポランな芸人崩れでこちらもやはり友達になりたくないタイプの人間。二人を組合すことになる切っ掛けが、幼気な学生の頼みで本当にスルーしたいはずなのに、過去の繋がりからどうしても放っておけない「人情み」があるところからの展開がスピーディーで軽快だった。二人の捜査(まがい)...この感想を読む
読み取り特殊能力!
思念の読み取り能力野村萬斎演じる仙石に開花してしまった特殊な能力によって、宮迫博之演じる丸山とでコンビとしてブレイクしたマイティーズ。その裏に隠された真意と仙石の苦悩が見事に描かれていて、こんな能力がある事自体の良しあしも考えものです。しかしその能力がふとしたことから人助けにつながり、仙石にとってはコンプレックスでしかなかった能力が自身の自信に変わっていく様が見どころでした。兄妹の愛と周囲の関わり尊敬するピアノの先生と喧嘩したまま別れる事になってしまった花が思い立って元マイティーズの能力を信じ捜査の依頼におとずれ、半ば強引な丸山も相方の仙石を心配していた事から始まる。切な思いが伝わり、能力を活かし助けになりたいと少しずつ外に出始め親身に捜査を始めた仙石だったが、その思念の裏にはかなり複雑な歪んだ思念があった。幼い兄妹の間にあった愛情と家庭環境が引き起こした悲劇であり、その結末はかなりの...この感想を読む