ラブ&マーシー 終わらないメロディーの評価
ラブ&マーシー 終わらないメロディーの感想
「天才」とはどういうものかがよく理解できる
不遇で、愛すべきブライアン・ウィルソンの人生2014年作品。個人的には、ビーチ・ボーイズの音楽はあまり聴いた事がなく、ビートルズなんかに比べるとずっと知識は少ないのだけど、以前、村上春樹氏が「意味がなければスイングはない」という音楽に関する本の中で書いていた、ブライアン・ウィルソンに関する記述がとても印象に残っていました。ブライアン・ウィルソンの人生を、深い理解を持って総括し、その才能を改めて賞賛し、若い頃、ブライアンの音楽を理解するだけの感性を持ち得なかった自分自身の無知を悔いてもいる、この詩的で愛情深い文章は、ブライアンをよく知らない人にとっても、彼の人生の特殊さ、無慈悲さやある種の諦念に、しばし思いを馳せたくなるような素晴らしいものでした。2002年、村上氏がブライアンを見るためだけに参戦したホノルル・マラソンの前夜祭で、霧雨の降るハワイの気持ちのいい野外の公園、長い低迷と引退状態から復...この感想を読む