ジェネラル・ルージュの凱旋の評価
ジェネラル・ルージュの凱旋の感想
ぎりぎり評価できる作品
犯人がサイコパスだったことに"ポカーン"としてしまう、良い意味でも悪い意味でも犯人がサイコパスである男だと判明した時、私は肩透かしを食らった気分になった。もちろん唐突に出てきた人物ではないから、「あ~お前だったのか」というミステリ特有の快感はあるっちゃある。犯人が常に第一主犯のそばにいたことも、彼が煎餅をぼりぼりと食べこぼす無神経なふるまいもあとから思い返せば伏線だったと思う。しかし、どうしても私は「違う、そうじゃない」という気持ちから抜けきることができない。観客としては、意外な人物が犯人であって欲しい、驚かせてほしいという気持ちはもちろんあるが、そうはいっても例えばちらっと出てきた完全な通行人が犯人でした、といわれても面白くないのである。だってそんな人物の犯行ははじめから誰も疑っていないからだ。一度「もしやお前が……?」というフェーズがあり、しかし確信が持てない、他にも犯人らしき人物が...この感想を読む
ただのミステリにとどまらない医療ドラマ
「チーム・バチスタの栄光」の続編という形をとっているけれど、この一本だけで十分楽しめる作品!あべちゃんと竹内結子さんのコンビは変わらず。でも若干脇役っぽい要素が濃い。前作と違い、医療ミスなどではない殺人事件。それとは別に、堺雅人さんが巷で「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれていることに注目。近くで大規模な災害が起きて……というお話。とにかく堺雅人さんが格好良い! 「ジェネラル・ルージュ」の由来であるエピソードもしっかりイイ味を出している。過去の経験を活かしてこの日のために準備をしていた関係者たちの連携がアツい。と同時に進行する殺人事件の解決も、これまた巧い。人の恐ろしさを感じさせる。ミステリとしても医療ドラマとしても楽しめる作品。
名コンビ再び
田口(竹内結子)と白鳥(阿部寛)の名コンビ、再び。まず感じるのは白鳥の変人ぶりがパワーアップしているということ。骨折をしたり告発文が白鳥の元にも届いていたりと、面白くなる要素がたくさん。阿部さんが楽しんで演じているのが伝わってくる。ただの推理小説、推理映画だったらこんなに愛されていなかったのでは?とは言っても、本筋の推理も前作同様レベルが高い。やっぱり映画だな、と思うような演出はあるけれど、あのシーンがなければストーリーがまとまらない。野際陽子さんもいい仕事をされている。観終わってからチュッパチャップスを買いに行った人は多いはず。