アンストッパブルのあらすじ・作品解説
アンストッパブルは、2011年に公開されたアメリカ映画である。監督は、「トップガン」「トゥルー・ロマンス」「ザ・ファン」のトニー・スコット。脚本は、「ダイ・ハード4.0」「ウルヴァリン: SAMURAI」のマーク・ボンバック。音楽は、「ヴェロニカ・ゲリン」「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」のハリー・グレッグソン=ウィリアムズ。出演者は、デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン、ケヴィン・ダン。 ある日、無人貨物列車が暴走するという事故が発生した。貨物列車には大量の化学薬品が積まれている上に人口密集地へと向かっているために、予想被害者数が10万人という深刻な事態になる。この知らせを受けた二人の鉄道員が、貨物列車を止めるべく危険な計画を実行していくアクション映画である。 2001年にオハイオ州で起きたCSX8888号の暴走事故を基にして描かれている。 本作品がトニー・スコット監督の遺作となった。
アンストッパブルの評価
アンストッパブルの感想
経験を活かすも殺すも人間
実話をもとにした作品ということで、アクションテイストながらも、はちゃめちゃではなく、どこか堅実な感じがして、私は好きな映画の1つです。ポイントの切り替えミスに続き、運転士が楽をしようとブレーキをかけて列車を降りてポイントを切り替えようとしたが、実際にはブレーキが外れてしまうというミスが起こり、化学薬品を積んだ巨大貨物列車が暴走を始めます。人的被害の出ない農村地帯での脱線(広いアメリカならではの発想ですね)を提案する現場と、金銭的な損害を考え、前に機関車を走らせて速度を落としながら、ヘリで運転士を降下させるという無謀とも言える計画を実行する会社上層部の対立。結局失敗して、最後には、解雇通告を受けた老運転士が、後ろから連結して止めるという方法に出ます。この映画を観ていると、経験を積むということは誰にでもできるけど、それを活かすか、慣れによる怠惰という形で殺すかは、人間によるのだと改めて思い...この感想を読む
いち市民がヒーローになる
実際に起こった事故を元にして作られた映画です。数日前に解雇予告を受けたベテランの電車運転士と、縁故で採用された新人車掌が組んで化学薬品を積んだ暴走列車を停めるために命がけで奮闘する内容です。それぞれに家庭がうまくいかずに悩みを抱えながらも日々生活をしていた登場人物たちが、ある日仕事中偶然に暴走する列車をみつけます。自分達に課せられた仕事でもないし、むしろ勝手に何かをすれば会社の上層部から解雇すると圧力をかけられても、鉄道マンとしてまた人として見過ごすことができないため、命を省みない危険な方法で暴走列車を停めようとするまでの間、色々なドラマが起こります。車掌は妻との関係を修復させ、運転士は娘たちとの間にできた心の溝を埋めることができました。いち市民がヒーローになることは偶然が重なったときで、彼らは決して最初からヒーローではないので、勇気を出して行動することによってもたらされるものが大きい...この感想を読む