お前を調子づかせるために520人は死んだんじゃないんだ。
悠木和雅
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1985年に起きた日航機123便墜落事故の取材に奔走する記者たちの姿を描いた、横山秀雄の同名小説を原作とした、2008年に公開された日本映画。監督は「KAMIKAZE TAXI」「魍魎の匣」の原田眞人。脚本は「孤高のメス」の加藤正人、成島出。 1985年8月12日、登山仲間の同僚で親友の安西との待ち合わせに向かおうとした北関東新聞の記者悠木は、県警担当の佐山から日航機の機影が消えたという第1報を聞く。大惨事の予感と共に社長白河から取材に関する全権を任される。慎重派の悠木は、現場が群馬だと確認されてから、佐山と神沢を現場に送るが、必死で得た惨状の第1報は記事にならなかった。一方、待ち合わせ場所では安西が倒れ、植物状態になり…。 主人公悠木を「ローレライ」の堤真一、佐山を「半沢直樹」(TV)の堺雅人、神沢を「バイロケーション」の滝藤賢一、安西を「ストロベリーナイト」の高嶋政宏、社長を「おくりびと」の山崎努が演じている。他に尾野真千子、遠藤憲一、田口トモロヲ、堀部圭亮など。
とある地方紙の新聞社を舞台とした物語で、日航機墜落事件をモチーフにしています。地方紙の意地とプライドをかけて、事故原因を追究していく姿が描かれています。また、後年の主人公が亡き親友との約束を果たすべく、クライミングに挑戦する話も時代を行ったり来たりしながら並行して展開していきます。ストーリーや演出もよく、キャストも豪華で見ごたえがあるのですが、難点を挙げるとすれば、いまいちメッセージが見えてこないというところでしょうか。完全なノンフィクションであれば、事実の顛末を追っていくだけで十分作品となると思いますが、日航機墜落事件以外のエピソードはフィクションであるため、この映画が何を言いたいのかわからないという点はやはり気になる部分ではあります。しかし、緊迫感あふれるシーンは見ごたえがあり、取材にかける記者の情熱には心打たれます。なんといっても豪華なキャストたちによるやりとりの面白さが圧倒的で...この感想を読む
緊迫した状況に、とにかく手に汗握る。最初にグッとくるのは、堺雅人演じる佐山が帰社したところ。次は滝藤賢一演じる金沢が苦心するところ。その次は堤真一演じる悠木が決断するところ。本当は3つだけ挙げるつもりだったのに、グッとくるところを思い出すとあれもこれもと出てくる。社会派映画だから伏線などはないけれど、それでも見終わった後に2度3度は見直したい。最初は悠木の目線で、次は他の社会部のデスクの会話にも耳を澄ませながら。1つ混乱してしまったのは、悠木の息子の話。予告編を見て、悠木の息子が飛行機に乗っていたのだと思っていたので、あれ?違った?どういうこと?と思ってしまった。原作は読んだことがないから忠実なのかもしれないけれど、少し工夫が欲しかった。
悠木和雅
凄惨な事故現場を見てショックを受けた後輩が、あんたはこんな冷房の効いた涼しい所で仕事して、と怒り狂い、後輩を黙らせるために主人公が言い返したセリフ。
安西耿一郎
一緒に山に行く約束をした安西と悠木。あとで駅で合流する約束をして、会社の前で一旦別れる。出て行こうとする安西に、悠木が訊ねる。「お前さぁ、なんで山に登るんだ。」
悠木和雅
事故原因についてのスクープをつかみそうな玉置が、悠木に取材先から電話をかけてくる。興奮気味の玉置をなだめるように、悠木が言うセリフ。