ジャージの二人のあらすじ/作品解説

時間の緩やかさに身を任せ、日常をのぞき見する

好きな人は好きだし、ハマらない人にとってはとてもゆるい映画だと思う。けれど私は好きだし、ものすごく仕事が忙しい時の気分転換や人間関係に疲れた時に見て頂きたい。基本的に山奥の別荘で親子が何もせずにジャージを着て毎日を過ごすストーリーなので、大きなハプニングやメリハリのある日常は期待しないでほしい。ただのんびりと過ごす親子の中に漂う空気を感じながら、何を考えているのかを探り、ナチュラルに交わされる会話に時々クスッとする。劇場の観客は、この親子の日常を覗いているというスタイルなのだ。それでも時々強烈なスパイスは投入されてくる。全体的にゆるいからこそ感じる強烈なスパイスを、主人公たちと受け止めたい。