魍魎の匣の評価
魍魎の匣の感想
原作へ誘導するためだけの存在
京極冬彦の名作サスペンス小説を映像化。前作「姑獲鳥の夏」と同じキャスティングです。ただ、今回もやはり完成度は低め。原作ファンからすれば大事な個所がいくつも省かれていて不満だらけだし、原作を知らない人からすれば、展開が速すぎて理解が追い付かないうちに、半端な盛り上がりの中終わってしまいます。それも当然、1000ページ以上におよぶ大作を、2時間足らずで映像化しようというのがそもそもの間違いだった気がします。ただし、世界観や雰囲気だけはそれなりに高い完成度なので、原作を読んだ後に興味本位で見たり、読まずに見てから雰囲気をつかみ、大作の原作を読み解き始めるというのは面白いかも。いずれにせよ、非常に出来のいい原作へ誘導してくれるという意味では、ファンにとってうれしい映画だったかもしれません。ただ、やはり映画自体は出来が悪いです。
推理ものだったのか・・・?
京極夏彦の長編推理、伝奇小説。百鬼夜行シリーズの第2弾。私は原作は未読ですが、百鬼夜行シリーズ第1弾にあたる「姑獲鳥の夏」は鑑賞済みです。「姑獲鳥の夏」に続き、今回も舞台は昭和27年東京。「中禅寺 秋彦」「榎木津 礼二郎」「関口 巽」といったお馴染みの面々が登場しています。しかし、関口役が「永瀬 正敏」さんから「椎名桔平」さんへ変更されており、別キャラクターと思うくらい、前作の関口とはかけ離れていたように感じました。また、監督が変わられた事もあるのか、今作はグロテスクな表現がはっきり見えておりました。その為、前作にあったホラーテイストを匂わせる演出ではなく、スリラー的要素が強いように思います。私としては前作の演出の方が好みでしたが、人それぞれかと思います。ストーリーは3つの事件が1つに繋がるといったものでしたが、設定が複雑で難しく理解に苦しみました。そして、前作であった推理の面白さも感じられ...この感想を読む