企業する若者への警告
イタリアン・ネオリアリズムの視点『世界の映画作家5』(キネマ旬報社)の中でイタリアン・ネオリアリズムを監督別に分類するならば、ルキノ・ヴィスコンティのあり方は社会科学的なものの見方を土台として階級や経済の歴史をがっちり把握していくタイプと考えられる。作品冒頭の字幕の文章からしてこの本が述べていることは当たっているだろうと思った。その文章とは「この映画の舞台はアチ・トレッツォ村、シチリア島に実在する村だ。しかし昔から世界のどこででも(搾取が存在するなら)見られる物語である。家、道、舟、海、演じる人間全てが実在する。標準イタリア語では彼等の生活は描けない。」というものである。実際にこの映画はイタリアの方言が使われ、キャスティングもなるべく現地の人間を使ったそうだ。映画の中でひたすら現実を表現しようとしていることが、ここからもうかがえる。釣られる運命その後、歴史的慣習に縛られた家がそれに対し...この感想を読む
4.04.0
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