本当に良い刀は鞘に入っているものですよ
睦田夫人
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椿三十郎は1961年に公開された日本の時代劇映画である。 「七人の侍」「赤ひげ」「羅生門」など数々の日本映画を作り"世界のクロサワ"と言われる黒澤明が監督・脚本・編集を兼任。 黒澤映画に多数し黒澤と同じく"世界のミフネ"と言われていた三船敏郎が主人公・椿三十郎を演じる。 共演者には「ハチ公物語」の仲代達矢、「若大将」シリーズの加山雄三、小林桂樹、志村喬、団令子、田中邦衛らがいる。 また、2007年には織田裕二主演で同名映画のリメイクが作品が公開され、黒澤の脚本が一部使用。 興行収入は4億5000万円を記録している。 この作品は家老の不正を明るみにさせようとしたが失敗し、密談をしていた九人の若き侍達の話を傍で聞いていた椿三十郎と名乗る浪人が侍達の助け舟となって自らも仲間に加わるという物語である。
黒澤映画の中でも上映時間が96分という短さだが、その内容は時代劇の楽しさがギッシリと詰め込まれている作品です。加山雄三・田中邦衛ら若侍九人が藩の不正を糺そうと立ち上がる。それに加勢するのが、椿三十郎を演じる三船敏郎です。この若侍九人の若さゆえの無邪気さぶりと、何度も苦労をかいくぐってきた三十郎とのやり取りがすごく楽しいです。「人を斬る音」を聞かせながら、十数人を殺してしまうシーンもありますが、現代の時代劇とは違って残酷な感じを受けないのも、こんなユーモラスなシーンや椿三十郎の何だか憎めない人柄のせいかもしれません。黒澤組常連のシナリオライター、菊島隆三・小国英雄が黒澤明と練り上げた渾身の脚本が根本にあり、観終わった後でスカッとすること間違いなし。
睦田夫人
椿三十郎に助けられた夫人が、ギラギラとして無鉄砲な椿三十郎に対して言った言葉。