椿三十郎の評価
椿三十郎についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
椿三十郎の感想
これこそ時代劇だ!
黒澤映画の中でも上映時間が96分という短さだが、その内容は時代劇の楽しさがギッシリと詰め込まれている作品です。加山雄三・田中邦衛ら若侍九人が藩の不正を糺そうと立ち上がる。それに加勢するのが、椿三十郎を演じる三船敏郎です。この若侍九人の若さゆえの無邪気さぶりと、何度も苦労をかいくぐってきた三十郎とのやり取りがすごく楽しいです。「人を斬る音」を聞かせながら、十数人を殺してしまうシーンもありますが、現代の時代劇とは違って残酷な感じを受けないのも、こんなユーモラスなシーンや椿三十郎の何だか憎めない人柄のせいかもしれません。黒澤組常連のシナリオライター、菊島隆三・小国英雄が黒澤明と練り上げた渾身の脚本が根本にあり、観終わった後でスカッとすること間違いなし。