赤ひげの評価
赤ひげの感想
面白かった
面白かった映画ですかね。しばらく見てないので、また改めて見るが、おぼろげながらも奮闘する人情味の熱いアカヒゲ先生の姿が甦える。けっこう黒澤は医者ものいいですよ。酔いどれ天使も素晴らしいし、梅毒にかかってしまう医者の映画(題名忘れてしまいました)も胸にくるものがある。医術とは仁術である、そんな言葉を再認識させられる名作です。ただし映画の前半はちょっとどうかと思う部分もある。抱きしめさせて腹刺させてしまう女のエピソードはちょっと強引だし自分はまったく悪くないのにそれを自分のせいのように思う旦那の考え方も納得がいかないのだけれど・・・これは時代の価値観の変化というものなのかもしれない・・医師の方には、ぜひ一度観ていただきたい作品です。
ヒューマンドラマの傑作
黒澤映画のモチーフの一つに、優れた人格の年長者が未熟だが有能な若者を成長させてゆくというテーマがあります。この映画でも、赤ひげ先生こと三船敏郎が若き医師の加山雄三を、時には厳しくあたりながらも温かく見守り、一人前の医師として育ててゆきます。そんな生きることへのひたむきさと、出世コースまっしぐらと言われていた医者でありながら、民衆のための施療院を開いた赤ひげ先生の献身的に患者を診る姿が、非常に清々しい。黒澤監督は、決して貧しい人たちを惨めに描くことなく、必死に努力する姿にフォーカスを当てて描いています。上映時間3時間5分という大作ですが、他の共演者たちの素晴らしい演技などもあって、時間が経つのを忘れてしまいます。