秋刀魚の味のあらすじ・作品解説
秋刀魚の味は1962年公開、松竹配給の映画であり、キネマ旬報ベストテンや毎日映画コンクールでの受賞を果たした作品である。 この作品は妻に先立たれながらも長女と次男、離れて暮らす長男夫婦と平穏な日々をおくっている父親が、それまでぼんやりと捉えていた次女の結婚という出来事をきっかけに、娘を無事に送ったはずがかえって孤独を深める姿を描いた作品である。 監督は「麦秋」や「大人の見る絵本 生れてはみたけれど」の小津安二郎であり、この作品は1963年に亡くなった監督の遺作となった。 主役は「晩春」「東京物語」などの小津安二郎監督作品に数多く出演するとともに「男はつらいよ」シリーズ等多くの有名作に出演した笠智衆。次女路子役には松竹配給作品に多数出演し、2004年に紫綬褒章を受章した岩下志麻。 2013年には小津安二郎の没後50年を記念して今作のデジタル修復作業が行われ、カンヌ国際映画祭のクラシック部門にて上映された。
秋刀魚の味の評価
秋刀魚の味の感想
深い味わいを堪能したい人に最適
小津安二郎監督の遺作です。最後の映画もカメラアングル・ストーリー構成・抑えられた色彩設計・豪華俳優陣などお馴染みの物ばかりです。しかしこの映画は、最後にふさわしく密度の濃い映画になっているのが不思議です。ラストシーンでも象徴的なのが、かつて人々のいた家族の場の中に、もはや誰もいなくなってしまっているというところが、世の中の無常感が表れていて非常に感慨深い場面になっています。ドラマチックな出来事がないにもかかわらず、人生の深い悲しみを演出する小津監督独特の世界観の集大成ではないかと思います。岩下志麻の初々しい演じをはじめとして、笠智衆・佐田啓二・三宅邦子などのベテラン俳優たちが、この作品でも抑制の効いた演技を見せてくれています。
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