ベルリン・天使の詩の評価
ベルリン・天使の詩の感想
映画は歴史を作ったのか、ベルリンの壁
1987年公開のフランスと西ドイツ、際どい時点で際どいテーマの際どい国が合作の映画です。天使達は悲しんでいる人間にそっと寄り添い人間の心の呟きを聞き、肩に手を置くと心がすっと楽になるのです、この肩に手をかけるいうのは、フランス語でも英語でも、肩を貸して泣かせてくれと言う言い回しがあります。このときに回りに色は無くモノクロです。天使が恋をしたときに、年長者が声をかけます、私も昔は貴方の様だったと。勇気を奮って天使が人間になったときの言葉にぐっと来るでしょう、まるで子供のように全ての物事を知りたがるのです。我々は何と傲慢な生活をしているのでしょうか、死が傍に来たとき初めて我々も失うものに感謝するのでしょう。ドイツの西東を分ける壁は1989年11月10日に破壊、1990年10月3日に東西ドイツが統一、この壁が冷戦の象徴でした。この映画が影響したのか、影響を与えたのか、それともレーガンがスピーチしたのが効いたのか...この感想を読む
あの図書館に憧れる
アート性が高い映画なので退屈だと思う人も多いでしょうが、大好きな映画です。天使たちの白黒視点と人間のカラー視点の使い分けも巧いし、とにかく映像が美しいです。天使たちが集う印象的な図書館は、実際の図書館で撮影されたものです。そしてゆったりと重厚なダイアローグも耳に残り、天使が直接心に語りかけてくるように感じられます。サーカスの踊り子マリオンに心奪われ、彼女の目には見えないけれど、寄り添うように傍にいるダミエルが、とても切なく暖かい。そして天使の永遠の命を捨て、人間になることを決めてからの、どこか調子のずれた感じもユニークです。元天使役のピーター・フォークもいい味を出しています。この映画の全てが好きです。