人間に完全も不完全もない もしもあなたが社会に差別を受けたなら そんな社会に屈服する必要はない
高砂先生
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ブラックジャックによろしくは、2002年から2006年にかけて、講談社の「モーニング」に連載された佐藤秀峰のマンガである。研修医が医療現場で過酷な現実に立ち向かいながら、一つ一つ取り組んでいく姿が描かれている。タイトルは手塚治虫の「ブラックジャック」と「ブッキラによろしく」にちなんでつけられている。2002年、第6回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。 主人公の斉藤栄三郎は、超一流の永禄大学卒の研修医として、さまざまな科を経験していく。実際の医療現場でぶつかる不条理や矛盾、厳しい患者の現実にむきあい、葛藤しながら成長していく。リアルすぎる内容に、考えさせられ、胸をつかれる読み応えで、問題提起の作品ともなっている。 2003年には、妻夫木聡主演でテレビドラマ化されている。単行本は、2002年から2006年にかけて、講談社の「モーニングKC」として、全13巻が発行され、累計発行部数は1000万部を超えている。
おためごかしのない現場の緻密な描写冒頭部分の研修医斉藤英二郎のハードな生活ぶりや、自らがアルバイトで診療を行うことなどに良心の呵責を覚えながら、でもそんなことをじっくり考える暇もなく毎日が忙殺されているところにかなりのリアリティを感じた。その後の怒涛の展開で(牛田さんの名医ぶりも遺憾なく発揮されながら)、事故でかつぎこまれた重態の患者と出会う。すさまじいその怪我の描写からもわかるように一分一秒の余裕もないのにもかかわらず自らの自信のなさから斉藤は逃げてしまう。結局金の亡者などと罵った院長がその患者を助けるのだけど、命を助け金をもらって何が悪いと言いきる院長は決して悪人でないように感じる。しかし命を助けるという純粋な気持ちで医者になった者にとっては、その言葉は単純には受け入れがたいものだったろう。そうなのかもしれないけれどでも、という斉藤の自問自答が常にベースにこのマンガにはある。結局助...この感想を読む
医療現場の現実に愕然とするこの作品を見て、佐藤秀峰氏の取材力に驚愕した人も少なくないと思う。若干誇張して描かれたり、変わり者の医師などは実際こんな人いないと、医療従事者のツッコミを受けそうなところはあるもの、医療現場の根っこにある矛盾や葛藤の描き方は、この作品が圧倒的であり、他の追随を許さない最高峰レベルであると言える。マンガは子供が読むものという昭和の頑固おやじや教育ママ的思想を持った人は、この作品を読んだら漫画という媒体に対する考え方すら覆してしまう力を持っている。中でもすい臓がんの中年女性を扱った第四外科編や、精神科編の描写は秀逸であり、自分がガンや精神疾患になった時に、どう病気と向かい合うべきか問題提起をしてくれる作品だ。海猿同様一本気な主人公海猿でも主人公仙崎は公務員でありながら、矛盾に感じることなどはどんどん口に出して先輩に思いをぶつけるタイプであったが、本作の主人公斉藤も...この感想を読む
「この世で一番不健康なのは、研修医だな…」毎日2~3時間睡眠で、ぼやく研修医仲間に何も言えない主人公斉藤がいます。医者とは何だ…これがこの漫画のテーマだと思います。主人公斉藤英二郎は、これから色々な科に研修に行き学んで行きます。そこで、「患者さんを助けたい!!!」という思いの強さが彼や周りを変えていきます。この一巻ではナースの赤城さんと出会います。医者とは何なんだ。この漫画を読んで目から鱗が落ちる瞬間が何度か訪れました。何度読んでも心に来ます。単純に面白いだけじゃなくて、考えても答えの出ない問題を提示された時人間はどうするのか…そんな気持ちで斉藤の言動を見守ってしまう漫画です。
よみがな:さいとうえいじろう 年齢(作品時):25歳 性別:男性 国籍:日本 所属:永禄大学卒の研修医 性格:純粋で一直線 物語上での目的:患者のためを思い奔走するが、そのたびに医局や教授、日本の医療事情の現実と衝突する。 父親:中学校の英語教師 実家:千葉県銚子市 アルバイト当直をする病院:誠同病院。診療...
高砂先生
障害児として生まれた子供の手術を拒む父親に子供の生きる権利を諭すシーン
斉藤栄二郎
末期がんの患者に死と向き合えと説く医師に反発しての言葉。
辻本良江
良江が、家族に末期がんを打ち合けた後の家族旅行にて、家族に向けて言った言葉