もし死ぬことに何か意味を見いだせれば・・・死は単なる恐怖ではないはずだ・・・そして死に意味を見いだせるのは・・・生きる意味を見つけられた人間だけなのかもしれない・・・
渡辺裕三
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佐藤秀峰氏のすばらしい取材力佐藤秀峰氏の作品は、「海猿」「ブラックジャックによろしく」など、実写ドラマや映画化されている者が多く、実際に著者がその職業を経験したのではないかと思えるほど、現場の様子が綿密に描かれている。佐藤氏の作品は命と命の現場にある矛盾を描いたものが多く、この特攻の島も時代は違えど、命と命の現場にある矛盾を描いた作品の一つと言える。佐藤氏は1973年生まれで戦争を知らない世代であるが、戦時中の時代考察やその時代に生きた人の心情の描写が、まるで見てきたかのように鮮やかに描かれている。おそらくその時代に生きた方でも、佐藤氏の取材力には驚いてしまうのではないだろうか。私自身も戦争は知らない世代であるが、様々な戦時中の記録書物は目にしたことがある。その中でも「特攻の島」は、回天という海の特攻の事実を後世に伝える貴重な資料となりうると言える。すばらしい構成の史実に忠実なフィクション...この感想を読む
渡辺裕三
夜中に同期の関口と、回天特攻で死ぬ意味について語り合っているシーン
渡辺裕三
艦は損傷が激しく、最後の望みの回転の艇内で、覚悟を決めた渡辺が、先立った戦友の関口に向けて語る独り言
渡辺裕三
回転の訓練中に艇内で、回転開発に携わった仁科中尉に回転での特攻で落命する事の意味について問いかける渡辺の言葉