美しい人のあらすじ・作品解説
美しい人は、1999年10月15日から12月17日にかけてTBSにて放送された日本のテレビドラマである。全10話あり、平均視聴率16.6%を獲得した作品である。 プロデューサー:伊藤一尋、ディレクター・監督:土井裕泰、吉田健、遠藤環、脚本:野島伸司、主題歌:無造作紳士、挿入歌:悲しみの影、歌手:ジェーン・バーキンが担当している。 美容整形外科の医師の岬京助は、人と人との争い事が嫌いな男である。そんな京助の元に「整形手術で顔を変えて夫から逃げたい、どんな顔にしても良い」と懇願する村雨みゆきが現れた。京助は、みゆきの顔を事故で亡くした元妻とそっくりの顔に整形し…。 これまでにない、独特な雰囲気のある大人の恋愛ドラマとなっている。 岬京助を田村正和、村雨みゆきを常盤貴子が演じており、他のキャストに大沢たかお・内山理名・柳沢慎吾・池脇千鶴・山下容莉枝らが起用されている。 2008年7月25日にDVD-BOXがビクターエンタテインメントより発売された。
美しい人の評価
美しい人の感想
独特だけど正直な物語
役者を選ばず、役者を問う脚本舞台で見たらもっと美しかったかな、と思いました。セリフもそんな雰囲気の言葉が多かったですし。テレビドラマにしては歯が浮くようだと言われても否めません。舞台だったら、すごくしっくりきて、入り込めそう。この脚本で、役者や演出が変わるとどうなるのかも見てみたいです。誰がこなしても、役者のオリジナリティが生かされる物語だと思います。舞台で、何年もいろんな役者が演じ続けられるような、スタンダードな脚本になってしまってもいいんじゃないかな。シェイクスピアみたいな。放浪記みたいな。そんなに好きなストーリーではないですが、役者がそれぞれの役をどうとらえて演じるのかに注目すると、興味深く、面白いです。登場人物一人一人が複雑なものを抱えているので、一度見ただけですっきりと理解できる内容ではないと思います。「あー大変だねー。」って終わらせることも、途中から見ないこともできる物語な...この感想を読む
穏やかさと激しさの恋愛。
「美しい人」は野島伸司脚本です。野島伸司さん独特のそれぞれに何か抱えている過去があり、それを抱えたもの同士が惹かれあっていく切ない恋愛ドラマです。今でこそDVはよく聞く言葉ですが、この頃はまだDVなんて言葉すらなかったような気がします。常盤貴子が、暴力的な旦那の大沢たかおから顔を整形してまで逃れ、そして穏やかな美容整形外科医の田村正和と恋に堕ちていきます。田村正和演じる美容整形外科医の自宅には無数のハーブがあり、ハーブに水をやるシーンは窓から光が差し込み、毎回とても綺麗な映像で印象に残っています。そして見所は初回の頃は穏やかだった田村正和が、常盤貴子と恋に堕ちていくにつれ必死に常盤貴子を守ろうと翻弄する姿へと変化していくところです。穏やかに過ごしたいと願いながらも、恋をしてしまうと人は冷静さや穏やかささえも失っていく姿を田村正和が熱演しています。野島伸司特有のドラマ序盤は切なくも心温まる話...この感想を読む