六番目の小夜子の評価
六番目の小夜子の感想
前半は良し、後半は尻つぼみ感が満載
信念のない不完全な物語奥田陸氏が、初めて書き下ろした第3回ファンタジーノベル大賞で最終選考に残った作品です。読み始めは、おやっと思わせる文章の書き方や、ゲームの説明となる導入部から始まり、何か面白い事が起きる予感を感じさせてくれる作品です。しかし、最後まで読み終わると、これほどまでに、不完全で未消化となっている物語は、久しぶりでした。このような事を感じさせるのは、ある程度の作者の力量があって、作品にのめり込ませてくれるから思う事かも知れませんが、だったら何のために、この物語を描いたのか?と逆に問いたい気分になります。未消化の部分として上げられるのは、一つだけではない事も、不完全さをさらに増長させています。一番は、サヨコの目的と原因はなんだったのか?物語の重要なポイントが、答えていません。読者に疑問を投げかけるという手法もありますが、この作品には筋が通っていないため、投げかけるには無理が...この感想を読む
不思議な青春物語
幼少期にNHKのドラマ版を観て、トラウマのように頭に残っていた一作ですが、ようやく読んでみました。当時はドラマの衝撃があまりにも強すぎたため、期待して読んだのですが、想像していたのとは違う雰囲気で、拍子抜けでした。子供時代の記憶の中で、おそらく印象が捻じ曲げられていたのだと思いますが、小説は小説で、基本的には面白く読めました。ただ、最後に残るもやもや感がどうしても苦手で、読後感はあまりいいものではありませんでした。好みの問題だと思うので、好きな人はとても好きなのだろうとは思いますが。個人的には、あっさりと終わってしまったな、という印象が強かったです。