死にぞこないの青の評価
死にぞこないの青の感想
これを読めば、誰もイジメられないはず…
先生はイジメを救えるのか?2001年に福岡県出身の乙一の書き下ろしたホラー的要素もある作品、映画にもなっています。小学校のイジメをテーマにしているのですが、本来助けてあげる側の先生が発端となり、イジメが広がってきます。先生が生徒を苛めることは、権力のある人間が弱者をいじめる事です。小学校の先生という立場は、教室の中では王様的な存在、先生の発言でいかに生徒達の心が操れるかを描いています。先生の一言で、生徒を深く傷つける事がたくさんあると、思い知らされます。そして、この中で出てくる、羽田先生のあまりにも幼い思考、自分を良く見せたいために誰かを犠牲にしてしまう弱さ、先生としての気質に腹を立てずにいられません。ここで思うのが、先生って、そもそもそれほど偉いのか?と言う事です。私は、普通の企業の中で働いているサラリーマンよりも、ある意味劣るのではないかと思っています。普通に就職をすれば、新入社員とし...この感想を読む
クエスチョンマーク
タイトルの意味がわからない。「死にぞこない」の「青」「死」とは生きているものに使う言葉であって、「生」がないものには使うことがない。しかし、この作品のタイトルには、その組み合わされない言葉同士が在る。「青」という言葉の固定概念にとらわれて意味がわからないといってしまったが、この「青」は人の名前かもしれないし、イヌの名前かもしれない。考えてみれば、みるほど、「実に面白い」タイトルである。この作品の内容はホラー小説です。そして、ハッピーエンドの小説でもあります。そして、そんなことはどーでもいい。ボクは、ゾイド、ミニ四駆、ビックリマン、コロコロという懐かしい単語が出てきてテンションがあがった小説と伝えたいです。
少年は救われるのか・・・
ホラーと言っても、精神的にジワジワくる怖さだと思います。 クラス中、先生からも、いじめを受けている少年に、幽霊?なのか何なのかわからない「アオ」が取りつきます。 結局「アオ」は、少年自身の姿だったのか、助けてくれたのか、それとも少年を陥れようとしているのかわからないし、先生に立ち向かったことで、本当の意味で少年のいじめが無くなったのかも実際のところわからないのです。 もちろん、いじめをするほうが悪いのだけど、この本はいじめを罰する本ではなくて、どこか 「そんなのに負けんな!!必死で生きろ」って、言ってる気がするんです。 先生や、クラスの子を成敗して万々歳ではなく、少年自身の生き方を変えない限り何も変わらないんだって思いました。 子どもでも、大人でも、生きるためにはいつも自分で戦わなければいけないと、自分で世界をかえるしかないんだと、そういう風に感じた本です。