架空世界へのご招待
実はこの作品は、これ一冊だけでも十分に面白いが、同じくクラフト・エヴィング商會の作品である『クラウド・コレクター』と合わせるとその面白さは倍増する。 この作品自体は、いわばガイドブックのようなものだ。 地球の歩き方・ヨーロッパ版などを思い浮かべて頂きたい。 ただ、この本にはアクセスも料金も所要時間も地図も載っていない。 しかし、その街の特色や歴史的由来、ほかの街との関係などは記載されている。 ここに載っているすべての街は、架空の世界の街であって、この世には存在しない「すぐそこの遠い場所」なのだ。 その世界の名前は「AZOTH」(アゾット)という。 AZOTHの旅行ガイドブックであり、事典でもあるこの本は、それが架空の世界だというのに実に我々の空想を刺激してくれる。 読み終わる頃には、あなたもこの世界へ旅行に行きたくなるだろう。 そんな方はぜひ、AZOTHの旅行記である『クラウド・コレクター』をお読み頂きたい。 ある男の旅の記録が、そこには細かく記されている。
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