オレたち花のバブル組のあらすじ・作品解説
オレたち花のバブル組は、銀行員の経験を持つ小説家、池井戸潤による、半沢直樹シリーズの第2作である。 別冊文藝春秋で2006年5月号から2007年11月号にかけて連載されたこの作品では、前作では描かれる事のなかった、出向した半沢の同僚も登場し、半沢とともに銀行内部やそれらに関わる複雑な問題に立ち向かう作品となっている。 元銀行員の作者だから描くことのできた、銀行内部の複雑で奇妙な体制もこのシリーズの魅力であるが、それに真っ向から立ち向かう半沢のハッキリとした言動と行動力が、同じ境遇や悩みを抱える日本中のサラリーマンから反響を呼び、大人気作品となった。 2013年7月にはTBS系列でドラマ化がされ、平均視聴率19.4%を記録、「やられたらやり返す、倍返しだ」というセリフや、上司の屈辱的な土下座シーンが話題となり、「倍返し」という言葉が巷で流行、2013年度の流行語大賞を受賞したことでも知られている。
オレたち花のバブル組の評価
オレたち花のバブル組の感想
半沢繋がり...
タイトルに「ポジティブ」な印象を受けます。そして、なにか「バブル」にプライドを持っている主人公がいるのかなという印象も受けるタイトルでした。内容は、銀行の内部事情を題材にしています。作者はかなり取材をして、情報を集めていたことがうかがえるくらい素晴らしい内容の濃さでした。そして、そこではサラリーマンの会社内の抗争がユーモアで面白く描かれています。サラリーマンは上司を選ぶことができない。この作品に出てくる上司はかなりに腹立たしかったです。威張り散らし、部下に責任をなすりつけ...しかし、最後は大どんでん返しだったので、面白かったです。
前作以上
前作「オレたちバブル入行組」の続編。営業第二部次長となった半沢に、今度は老舗ホテルの再建の仕事が回ってきた。本来は法人部がやるべき仕事だが、頭取の命令によるものだった。エリートコースを渡り歩いてきた半沢にとって、これを失敗することは出来ない。さらに金融庁の監査も近づく。半沢はこのピンチをどう乗り切るのか?一方、半沢の同期で、心の病で休職していた近藤(前作にも登場)。彼は復職して中小企業に出向させられ、孤軍奮闘していた。しかしある日、そこで裏帳簿の存在に気付く。今回の敵は金融庁のお役人達。執拗に半沢を攻撃する彼らと、半沢・近藤のバブル入行組。彼らの闘いが痛快なだけでなく、以前より緻密になり、読み応えもあった。前作は半沢ばかりが活躍していたが、今回は近藤がしっかり登場して、「バブル組」のタイトルに相応しい内容だったと思う。