攻殻の隅をカニを喰うように深堀りしてみた件 - 攻殻機動隊S.A.C 2nd GIGの感想

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アニメレビュー数 2,474件

攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG

4.504.50
映像
4.17
ストーリー
3.83
キャラクター
4.50
声優
4.50
音楽
4.67
感想数
3
観た人
5

攻殻の隅をカニを喰うように深堀りしてみた件

4.04.0
映像
3.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
声優
4.0
音楽
4.0

目次

OPテーマはロシア語

これ、TVシリーズと思って書いていいんだよね?

オレ、英語のヒアリングにはそこそこ自信あるんだけど、攻殻のOpテーマは所々目立った単語が聴

き取れるくらいで、ほとんどわからん。

やむなく歌詞サイト見たら・・・なるほど、半分以上ロシア語じゃん。

最初のTVシリーズから踏襲されてるフィーチャーの一つとして、劇番は菅野ようこちゃんなので、

VoはもちろんOriga。 

ようこ女史は、この白ロシア系女性シンガーの不思議な歌声が大層お気に入りだったんだとか。

映像も含めて、Opテーマが作品世界へのプロムナードだとすると、(一部を除いて)名前が漢字で

登場人物が日本語を話すけど異世界の物語、っていう攻殻シリーズに通底する舞台設定に、見る者

をわずか1分半で引き摺り込むのが、与えられたミッション。 責任重大だぜ、ようこちゃん。

核戦争で東京は根こそぎ吹っ飛ばされて大穴が開いちゃったので首都は福岡、返ってきてる北方領

土ではロシアのヤクザが跳梁跋扈、ダウンタウンは華僑の大群が香港化させちゃって中華料理だら

け。ハッピーな作品内でタイムマシンに乗ってシュッ!と行く、なんでも便利でキレイな未来じゃ

ない。(年齢バレるからあんまり書きたくないんだけど、汚染でヒトが住めない廃墟東京っていう

映像で、山上たつひこの「光る風」が脳裏を過ぎった。オレだけかな。「がきデカ」だけじゃない

のよ。)

間違いなく「ブレードランナー」が下敷きにあるんだろうけど、こういうところに電脳化技術と過

剰なネットワーク接続が乗っかってるサイバーパンクな舞台設定への導入は、かなり急傾斜だ。

あ、イマドキの若いモンは、こういう舞台設定のことを「世界観」とかいうんだよな。ケッ・・・

・本当の世界観ってのは、平らな地球が亀の甲羅に乗っかって、周りの海が滝になってる、アレだ

ぜ。

択捉が出てくるからロシア語、みたいな安直な話じゃなく、お隣りの国だけどオレも含め大多数の

日本人が理解できない言葉の不思議な響き。たとえ直前の番組が「ときめきメモリアル」であって

も、公安9課が大義名分なき正義を求めて命を賭する物語に、観る人の頭を切り替えるためのツー

ルとしては、Origaが母国ロシア語で歌う菅野ようこは、実に優秀なツールではないか。

オレ、この歌好きだよ。完璧に覚えてロシアンパブのカラオケで歌おうかな。

・・・でも、福島で原発が爆ぜたときには、これが異世界じゃなくなりかけたこと、これだけ時間

が経っても原発事故処理が全然進んでないことは、みんなエアコンかけるときに必ず思い出せよ。

Origaさんは、少し前に横浜で客死された、とWiki先生に教わった。もう新作が聴けないのかと思

うと、残念でならない。

R.I.P.

気付いてる?

エンドロールからすると原画は、固定編成じゃないけど、たぶん5チームくらいが持ち回りで作画

してて、そのシフトに合わせてか、大体1回ごとに少佐が美人かヘチャになるの。

たぶん、どの作品でも普通のことなんだとは思うよ。作業時間を納期で割った数だけチーム編成す

るのは、タチコマちゃんのボキャブラリーに落とし込むと、作業の並列化だもんね。

ジャイアンやコロ助には恋愛感情ないから、オレが多少のことには気付いてないだけで、もしかし

たら他の作品でも、よ~~~~~~~~~~く観るとそんなもんなのかもしれないけど、初めて観

てたときは正直「あ”-!この回は少佐、ハズレだわ」とか、最初にアップが抜かれるカットを虎

視眈々と待ち構えては右往左往してたっけ。若かったな、オレ(遠い目)

預言書としての攻殻

これもさっきWiki先生に訊いて確認したんだけど、防衛庁が防衛省になって、大臣になれる代議士

が一人増えたのが、2007年1月。その動向がチラチラと出始めたのが、2005年後半。

2ndGIGはパーフェクト・チョイスの本放送が 2004年1月~2005年1月だから、さらに遡る企画段階

では「防衛省」は、この作中にしか存在してなかった。・・・コレ観た役人が「じゃぁホントに省

にしちゃおーかな」と思ったとは考えづらいが、攻殻信者の布教活動に拍車を掛けるには充分なエ

ピソードではある。

ここで「攻殻スゲー!」で終わるとタダのファンサイトだけど、ここは「アニメの【研究サイト】

」らしいんで一発ウガチを入れると、未来とはイマの続きで、じゃぁ他にも現実化しそうなことは

ないのか?を考えると、ほら、研究っぽいじゃねーか。

核戦争 : ヤバかったらしい、本当に。隣はまだミサイルばらしてねーらしいぞ。

難民  : バカ総理に何年も政権やらすから、入れる気満々じゃねーか。

階級闘争: 日本人同士で格差できてるのは、ちょっと違うか。

・・・etc。明るいのないな。 探すのイヤになったので、各自買って観て探してくれ。

ただ逆にひとつだけ、本当になってほしい預言もある。

松本零二が提案し、オウム真理教が夢見て、攻殻が30年ぶりにアニメワールドで描いた「日本の

奇跡」

=放射能除去技術。

原作とのパラレル性と亡国の調べ

ちょっと最初のTVシリーズに脱線。

エロじゃない有料CS用に制作されたSFアニメだから深堀りするとこじゃないのは重々承知なんだけ

ど、あえて原作もほっくり返すと、少佐はレズっ子だよね。

擬体の整備や臓器の操作で行った病院のナースの子、少佐のカノジョだよ。(最初のTVシリーズ)

お休みの日は、自宅にお友達(もちろんネコっぽい可愛い女子)呼んで、有線接続で、電脳合法ド

ラッグみたいなのまで使ってサイバーレズ乱交しちゃうくらい、ガチだよ。少佐ったら。(原作)

少佐LOVEのオレとしては、なんか複雑な気分の設定だが、もしもそのへんを大深度掘削した、いわ

ゆる「薄い本」とか、あるのかな? 誰か知らんか? カネなら払うぞ。 いくらだ?

あと、ゴミ箱はまってシャワー浴びた後とか、難民の男の子と台湾の高速から見えるすげーホテル

に泊まったときとか、職務中はシンプルな黒いビキニショーツなんだけど、バトーさんがセーフハ

ウスで武器取るのに開けたクローゼットの中は、ズラリと並んだパステルカラーでフリフリ上下セ

ットのTばっくですぜ、旦那。 プライベートで小猫ちゃんたちとイチャイチャするとき用だ。間

違いない。山の如し。

でも考えてみると「紅殻のパンドラ」、ココだけは継承してるね。

あれ、狂信的な攻殻原理主義の信者は「反吐が出る」って言うかもしれない。

まぁオレは別にエロでもなんでもいいけど。

数年前にいわゆるクリエイターやらプロデューサーやらの寄り合いに同席したことがあってさ。

「ああーエコ。外せないよねー、イマドキ。」

「美少女キャラをテキトーなメカに乗っけて、ちょっとエコなことさせとけば?」

「それで童貞くんたちは大喜び、ってか?」


「でもね、エコはそこそこにしとかないと、原発に触っちゃうでしょ?」

「あーヤバイヤバい。スポンサー限られちゃうし、なにより衆議院の○○センセーに・・・」

オレは作品より、こっちのほうに、反吐が出る。

お手本以上になれる出藍の青は滅多にいない。だからこそのお手本だが、思春期に見聞き読んだ色

んな物語がその人の一生を決めるお手本の一部になることを否定する輩も、また滅多にいないだろ

う。

イマドキの若いモンは、反吐クリエーターどもがハナから準センズリ用に企画して、カネのためだ

けに公権の顔色を見ながら作ったようなモノばかり見せられて育つのかと思うと、電脳化していな

いオレには、明るい未来が描けない。攻殻がこれ以上預言書にならないことは、ライター風情は祈

るしかないが、未来が今の延長なら、道端のゴミはちゃんと拾って、ちゃんと選挙にも行くことに

するよ。

では少佐、イマドキの反吐野郎どもを斬って捨てる、シメの一言をどうぞ。

草薙素子
「茶番劇だとしても、これくらいやらなきゃね」

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他のレビュアーの感想・評価

キャラクターと世界観がたまらなく好きなアニメ

声優さんたちの演技がすごい初めて攻殻機動隊のアニメを見たのは、10年以上前になると思う。当時スカパーに加入していて、なんとなくテレビをつけたときに放送されていたのが攻殻機動隊のアニメの1期だった。深夜で他に見るものがなかったのだが、すっかりこの世界観に心を奪われてしまい、それからかかさず見るようになったのだが、時がたった今でも大好きなアニメだ。関係ないけど、友達が家に泊まりに来たときに、一緒に深夜攻殻機動隊を見たんだけど、その友達も攻殻機動隊を見ていたようでなんか嬉しかった思い出がある。攻殻機動隊というと、映像の美しさや音楽が賞賛されると思うのだが、改めて何度も見直すうちに、声優さんたちの演技が自分の中で重要になっていることに気付いた。少佐役の田中淳子さんに、バトーの大塚さん、トグサの山寺さんなど、みなさん一流の声優さんで、他の作品でその声を聴いたことはあるが、作品によって違うキャラクタ...この感想を読む

5.05.0
  • minomino
  • 143view
  • 2028文字
PICKUP

第02話の出来はちょっと…

攻殻機動隊のTVシリーズ二作目です。前作での9課の再結成後の物語となっています。音楽は前作と変わらず菅野よう子さんが担当で良いものが多いです。第01話 再起動 REEMBODY前作よりもSF的な映像が綺麗になっている気がします。テロリストに占拠されたビルから人質を助け出すというよくある内容です。第一話ですから登場人物の紹介を兼ねているのでしょう。そういえば少佐は前作の第一話でも高い所から飛び降りていましたね。ふと気になったのですが冷静になって考えてみると課長の髪型は結構奇抜ですよね。9課の新人がタチコマとは嬉しいですね。復元できたのは良かったです。第02話 飽食の僕 NIGHT CRUISEこれはどう言えばいいのか…。私が単に合わなかっただけかもしれませんがシリーズ通して最もつまらない話です。難民問題を説明のする為の回と割り切れば今後の為に必要なのかもしれません。この感想を読む

4.54.5
  • ykyk
  • 172view
  • 387文字

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