この国を良くするとはどういうことか? - 東のエデンの感想

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アニメレビュー数 2,474件

東のエデン

4.834.83
映像
4.67
ストーリー
4.67
キャラクター
5.00
声優
4.33
音楽
5.00
感想数
3
観た人
4

この国を良くするとはどういうことか?

5.05.0
映像
4.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
4.0
音楽
5.0

目次

様々な見方が楽しめ作品

舞台は日本。100億円の電子マネーの入った携帯電話(ノブレス携帯)を持つ12人のセレソンと呼ばれる
者たちのゲーム。クリア条件は日本を救う事。
この冒頭だけで、めちゃめちゃ面白そうじゃないですか?

このアニメの放送時期が、まだガラケー全盛期だったこともあり、ケータイのデザインはぼってりして
いるのですが、それがまた良いんです。
今でいう所のsiriの様な機能があって、お金を消費すれば国家権力も動かす事が出来るんです。
主にこの機能を利用して、セレソンが各々日本をより良くするべく行動していくのですが、最初にクリアした者以外は「サポーター」と呼ばれる存在に消されてしまうため、お互いが妨害し合うんです。
他のセレソンのお金の使用履歴を覗くことができるため、そのお金の動きで相手の居場所を探ったり、
セレソン同士で協力したりします。
この履歴を覗くことが出来るっていう条件が、物語の動きに非常に大きく関わっており、よく考えたな!と感心してしまいます。
また、実はアクションも豊富で、体でぶつかり合ったり、バイクや乗り物のアクションも派手で
見応え十分です。
そして、日本や海外に渡って戦いをするので、色々な土地の情報を知ることができたり、旅の情報アニメとしての観方もすることできるんです。
アニメの方は全11話で、セレソンゲームの決着はつかないのですが、続編が映画2本立てで続いていて、最後まで綺麗に簡潔しています。

キャラクターがとにかく魅力的!

一話目で裸の記憶を失った主人公が登場するのですが、この主人公がなによりも魅力的なんです。
常に冷静で、どっしりと構えており、ユーモアのセンスも抜群なこの男。滝沢朗!
記憶を失っていて、気が付いたらホワイトハウスの前で全裸に拳銃とケータイですよ?
普通だったら頭が追い付かないこの状況でも、冷静にヒロインを助けるんです。
また、映画が大好きだった記憶があり、様々な状況を映画で例えるのもニクイ演出です。
ちなみに、サブタイトルが毎回映画のタイトルになっています。
服装は基本的にカーキのコートにビンテージのデニム、そしてブーツインです。
移動手段は黄色いビッグスクーターなのですが、これがまたカッコいい!
自分はこの映画の影響でバイクの免許を取り、ビッグスクーターを買ってしまいました。
もちろん服装も真似て、ブーツインしてましたよ(笑)
今まで観たアニメの中で、一番好きな主人公です!
ヒロインもとても可愛い女の子で、卒業旅行で訪れたワシントンでトラブルに巻き込まれた時に滝沢と出会います。
彼に助けてもらって以来、「私の王子様」ではと思うようになり、彼に好意を抱くようになりました。
滝沢の為に突き進む行動力がとても高く、消えた滝沢を探すべく、当てもないのにニューヨークへ行ったりします。
最初はクヨクヨしていて頼りない印象を受けますが、物語が進む度にどんどん好きになっていくキャラクターです。
他にも、頼りになる仲間達、引きこもりだけどプログラミングの天才や、実は強いオカマがいたり、熱い友情も感じる事が出来ます。
敵であるセレソンメンバーも個性的で、金に困っている警察、ナイスバディーなモデル、日本のために
医療にお金を使う医者、ラスボス的な存在である元官僚、その元官僚にいい様に使われる自分の意志が弱い青年などなど…
どのキャラクターも、どの話もとても引き込まれます。
キャラクターデザインはハチミツとクローバーや三月のライオンの作者、羽海野チカさんです。
可愛らしいデザインと真剣な表情の使い分けが良いですよね。

この国の"空気"と戦うということ


この物語のキャッチコピーは
「この国の”空気”に戦いを挑んだひとりの男の子と、彼を見守った女の子のたった11日間の物語」
なのですが、滝沢とヒロインのボーイミーツガールはとても感じる事が出来ました。
国のために、自分やヒロインのために戦う滝沢、それを支えるヒロイン。お互いがお互いを想う気持ちにはとても感動させられます。
では、"空気"に戦いを挑むとはどういう事だったのか?
それはつまり、何も行動しない人達(空気)に対して、主人公が日本を良くするために行動してもらおう
とする事だったのではないでしょうか。
現代社会にも言える事ですが、今の日本の文化や社会の仕組みに対して、不満を抱くことはないでか?
それを抱いた時に、何か行動はしているでしょうか?
海外と比べ、日本はあきらかに政治や時事問題に対して消極的です。
最近では選挙に行かない人も大勢います。不満があっても行動しないのです。
そんな彼らに主人公は、一人ひとりが行動しなければ、日本は変えられないと訴えかけているのです。
たとえ100億円を持っていたとしても、それでは日本は変わらない。結局国を変えるには人が変わらないといけないのではないでしょうか。
私もこのアニメを見るまでは、選挙や政治には無関心でした。しかし、自分一人でも行動することで、きっとこの国は良い方へ進んでいるのだと思っています。
僕一人ではまだ力不足ですが、皆がそう思い行動することが大切なのだと、このアニメは教えてくれました。

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他のレビュアーの感想・評価

衝撃的な一話でした

主人公すっぽんぽんで、とても雑なモザイクで股間隠してるんだもんw挙句記憶が無いと来た日には、初っ端から「このアニメ大丈夫かよ。。。」と思ったものでした。というのも、これまでノイタミナ枠でやっていたアニメ、のだめや図書館戦争など、面白いアニメを量産しており、この東のエデンも面白くなるんだろうな~、とワクワクして見始めたのに、この衝撃的な1話。記憶も無ければ服も無い、挙句警察に追われてて、これは何をするアニメなんだっ!?変態アニメなのかっ!?と、まず1話を見て分る事が主人公が変態だって事だけだったんです。そのため、遂にノイタミナこけるのかな~と少し心配になった1話だったんです。が、どんどん話が進むにつれて、セレソンゲームという設定や、何故主人公が記憶が無いのか、という謎だった部分が明かされて行き、どっぷりはまっていました。そのため、全部見た後だから言えることですが、この1話の謎だらけのスト...この感想を読む

5.05.0
  • yuuki0630yuuki0630
  • 116view
  • 574文字

羽海野チカの柔らかな画風に隠されたハードボイルドさ

キャラクターデザイン 羽海野チカ。そこに食いついて見始めたものの監督は精霊の守り人や攻殻機動隊の神山健治。羽海野チカの柔らかなキャラクターデザインに包まれて物語はシビアに進んでいく。100億円と何でも願いが叶うノブレス携帯を持たされて日本を救うことを義務つけられた12人。最初にゴールを決めたもの(日本を救うことができたもの)以外は消される。この物語のキャラは羽海野チカであった必然があったのかどうか。監督神山健治と羽海野チカが大好きなだけに?と思うこともある。なにかアンバランスさを感じるのだ。物語とキャラクターが乖離しているかのような。実際、そのアンバランスさが魅力なのかもしれぬ。と思いつつしっかり劇場完結版まで見ました。物語の筋が複雑なので自分で脳内補完しながら見ないとなかなか追いつけませんが。うん。おもしろかった(結論)この感想を読む

4.54.5
  • akari16akari16
  • 123view
  • 366文字

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