主人公になれなかった主人公
題材の目の付け所はよかった
週刊少年ジャンプで連載という中で、競技ダンスといういままでのスポーツ漫画とは違う別のタイプのスポーツ漫画で読者の目を引き、内容的にもスポーツバトルとダンスという題材で迫力ある演出も出来たりすることから題材選びとしては成功であると言えます。連載当初は読者にもわかりやすくダンスの種目を説明したりと少しずつ成長していく主人公とヒロインに好感も持てました。、
設定に失敗した先輩達
主人公が凡人という設定は多々あり、別にこれは悪くはないです。成長型というのも読者に受け入れられる可能性は高いですし、ヒロインも凡人で一緒に成長していくというのは連載というもので見れば悪くはないです。ですが同じ部活メンバーの先輩達の設定を間違えたといわざるを得ません。部長達は全国TOP3の1組で、2年の先輩も上位常連組みという主人公達からしたら雲の上の存在。しかも現役という状況。主人公達を導く存在としては確かに高レベルの経験者という設定は必要ですが、大抵こういう場合怪我とか引退して主人公達を教える存在に回るのですが、この作品では現役であり、自分たちも頂点を狙いにいくというスタイルです。主人公の設定を先輩達が持っていった感じで、初心者の主人公達が完全に引き立て役になってしまっています。本編の大会でも主人公ペアは初戦敗退や二回戦敗退とかで終わり、その後来る先輩達の方が頂点を狙いにいく攻めのスタイルで迫力があり、上位を争うという展開で尺も主人公達よりも使い、本編最後の大会でもほんのわずかに見せ場があっただけの主人公に対し先輩達はペア解消問題やペア同士の愛称や過去編など主人公達を食う内容のオンパレードで部長ペアは解散の危機を超え日本一になるという主人公のような状況で最後の戦いは幕を閉じました。あきらかにこれから主人公達がやらなければいけないイベントであり、先輩達がやるイベントではないです。本編終盤はもう誰が主人公かわからない状況でした。
失敗したシナリオ展開
序盤は初心者の主人公が先輩達にダンスを教わり、少しずつヒロイン共に成長していき、学内でもイベントをこなしながら着々とダンスにはまっていく主人公が描かれていました。そして主人公ペア初の大会。こういうのは大抵強者とあたり序盤の方で敗退、本番は次の大会というのがジャンプ漫画のセオリーで、この作品もそれに乗っ取りやりましたが、そのあと最後の大会に行くまでの間が短すぎました。主人公達のパワーアップのための合宿などはやりましたが。それに対しても尺を使わず、大会開始までの日常ルート、他の対戦校との大会以外での関わりや番外的なバトルなどもなく、さっさと最後の大会にいってしまう始末。そういう細かい話を経て主人公がパワーアップしたりとか最後の戦いへの決意を高めるのにそういうのがなく最後の大会に突入し、全部の見せ場を持ってかれる結末に至ります。しかも大会は1日で終わってしまう内容であり、引っ張るにも引っ張れない状況と完全に手詰まりとなってしまいました。
主人公の魅力を活かせるシナリオではなかった
主人公達のダンスの魅力は勝負事でも楽しんでダンスをやるというのが売りであり、それに感化されるライバルとかもいたが、それを活かしたいなら、もう少し敵を嫌な奴とかにすればよかったのだ。結局主人公ペアのダンスの売りも先輩達のライバルであるチャンプがそういう考えでトップに君臨とかしていて、主人公の魅力すら消してしまう始末。結局は連載序盤は主人公ペアのほんわかした展開て上手くいっていたが後半から主人公の見せ場がなくなってしまい先輩達がメインの話になってしまいました。もし主人公の魅力を出すなら、やはり先輩とかは引退してコーチに回るとかにしてサポート組みに周り、主人公を成長させて、他のライバル達に挑んでいくという展開にするべきだったのだ。それか「黒子のバスケ」のように勝つ事しか考えない元チームメイトが主人公達と戦い、そのスポーツを自分が好きで楽しいという感覚を取り戻していくというような展開にするべきだったと思います。そして最後に2年後とかに飛んでしまったが、主人公の物語をやるならここからが本番であり、むしろこの連載内容はプロローグともいうべき内容なのだ。この1年編をさっさと終わらせて主人公達が主役とな3年生編とかにして、先輩達がコーチになり挑むといシナリオにすれば、もう少し連載は続いたんじゃないかなと思います。3年になっても主人公ペアは予選落ちとかが普通で、同年代のライバル達にも友達だけど戦いにおいては眼中にない扱いでおわるという不遇でした。競技ダンスという今までにない内容にスポットを当てて、読者からの注目を浴び絵柄も好感が持てましたたが、結局はシナリオにおいて全部を台無しにしてしまったというのが最終話まで見た感想です。次の連載を狙うならもう少し主人公を活かせるシナリオにしてほしいです。
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