誰もが一度は思い描く理想の世界。 - ARIA The NATURAL[アリアザナチュラル]の感想

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ARIA The NATURAL[アリアザナチュラル]

5.005.00
映像
4.33
ストーリー
4.17
キャラクター
4.67
声優
5.00
音楽
5.00
感想数
3
観た人
4

誰もが一度は思い描く理想の世界。

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
2.5
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

ARIA The NATURALの世界に悪人はいない。

「ARIA The NATURAL」は、前作「ARIA The ANIMATION」の続編として作られた天野こずえの癒し系アニメの超名作です。

癒しという一点において、これ以上のアニメ作品は他に無いと個人的には思っています。

優しいタッチで描かれるテラフォーミングされた火星を舞台に、日常にあふれる小さな幸せに焦点を置いた作品で、登場人物は皆が個性的ですが、例外なく全員が根っからの良い人。

私達が生きる今の世界が「ARIA」に出てくる人達だけならばきっと争いは起こらないでしょう。

主人公の水無灯理を筆頭に、それぞれが皆感受性豊かに描かれていて、私達がつい見逃しがちな日常の小さな幸せを「実はこんなに素敵な事なんだよ」と教えてくれます。

作者の天野こずえさんの次回作「あまんちゅ」も似た傾向の作品ですが、本当にこの人の日常の小さな美しさ、素敵さを見つけ出す能力に驚かされます。

自分も経験したことのあらゆる事柄の価値を、改めて再認識させて貰える作品です。

完成度の高い世界観や、身近に感じる事ができる登場人物達の設定。

「テラフォーミングされた火星アクア」という近未来を描いたある意味SF作品の側面を持っていますが、実際の我々でも共感出来る個所が意図的にたくさん盛り込まれています。

舞台となるネオ・ヴェネツィアは水没した地球のヴェネツィアの建造物や街並みをそのまま移植したという設定になっており、実在する建造物もたくさん登場します。

そういった実在の建造物や歴史を扱う関係上、実際のヴェネツィアの歴史の雑学やテラフォーミングされたときのアクアの歴史も緻密に設定されていて矛盾が無いのはもちろん、それぞれに細かい描写がされているのでリアリティがあり、登場人物にすんなりと感情移入しやすく描かれています。

またこの作品のキャラクターの個性も、仕事が良くできる人、自分の人生や行いに誇りを持っている人等、「自分の身近にもこんな人いるよ!」と誰にでも共感できるような人が多いです。

それらはどれもしっかりと描かれていて、どのキャラクターにも掘り下げられるストーリーが用意されているので、少ししか登場しないキャラクターも気づけば好きになってしまっています。

繊細なテーマを上品にまとめたストーリー。

またARIAシリーズの物語は全体を通して非常に繊細な事柄をテーマにしているのも特徴です。

例えば知り合いの仕事を手伝って、その仕事の大切さ、やりがいを感じるストーリー。

例えばふとした疑問から街の歴史を感じ、その街に住んでいた過去の人々へ改めて感謝するストーリー。

考え方や事柄は綺麗に演出されていますが、私達にも共感しやすいシナリオが土台になっているのですんなりと話が入ってくるんですね。

また物語の着地点がどれも良くまとまっていて、見ていて疲れないというのもこのアニメの癒しポイントです。

日常をテーマにしたアニメ作品は数多く存在しますが、少し複雑な解釈を必要とするものが好まれる傾向にある中で、1話ごとに一貫してシンプルな考え方と思考の正解を導いてくれるので、見終わった後どのお話にも爽快感すら感じさせてくれます。

美しい世界を演出する多彩な音楽。

多彩で美しい世界観にマッチした音楽も、「ARIA The NATURAL」を語る上で欠かせない大切な要素です。

メインテーマ曲はARIA全作を担当する声優の牧野由依さん。

何の抵抗もなくすっと耳に入る感情の豊かで透明感のある声質で、歌手としても人気の高い方です。

毎回歌詞の内容もARIAをイメージしつつ、誰の日常に当てはまるテーマで作詞されていて、毎回変わるオープニング映像とともに絶妙に見ている人の気持ちとリンクするように演出されています。

シリーズを通してオープニングを担当している彼女はもちろんのこと、他にも美しい世界観を演出する音楽作品を様々な音楽家の方が担当しています。

甘くてクリーンな声と、爽やかな編曲が魅力なROUND TABLE featuring Ninoさんや、感情に寄り添う作詞家河井英里さん、ピアノ演奏の楽曲で様々なアニメを演出してきた窪田ミナさん。

知っている人が聴けば皆がうなづく、そんなチームでアニメを彩っているんですね。

誰にでも当てはまる、理想の世界観。

おそらくどんな人にでも当てはまる理想の世界。

ARIAは物語が大きく転がったり、抑揚の多彩な作品とは言いづらいです。

しかしそれなのにも関わらず、これほど魅力のある作品は少なくとも自分は知りません。

切りとれた「日常の幸せ」のチョイスが秀逸なのと、装飾の仕方が上品で上質なのでしょう。

時間がある時にまとめて見たい作品というよりは、ストレスや人間関係に疲れる日々に毎日一話づつ物語に浸って、その日の疲れを落としてくれる、そんな作品です。

「ARIA The NATURAL」見れば、質素だと思っていた自分の人生がこんなに豊かだったんだと気づかされます。

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ARIA The NATURAL とはARIA The ANIMATIONの続編作品です。2クールから構成されるお話で、主人公の水無 灯里だけではなくサイドキャラクターにも注目をあてて展開されている日常系アニメです。1作品目より作画も向上し、繊細な音楽と原作を重視する内容であるがオリジナルのキャラクターをうまく組み込んでストーリーを構成している。10周年を迎えるまでの愛され続けるアニメここ最近10周年を迎え、蒼のカーテンコールと称したくさんのイベントが追加された映画館でOVAとなる3作品が公開され、Blu-rayBOXが発売されたのはこのアニメが、漫画が長年愛され続けていたからのなにものでもないと思う。ではなぜここまで愛され続けているのだろうか?それは現代では感じられないほどの 純粋さ と 素直さ を感じられるからだと私は考える。各キャラクターの考え方は現代にいる女の子となんら変わらない部分もありつつ一方で現実にはいないほどの明るい...この感想を読む

5.05.0
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